“住宅は質”の日米格差
悪質リフォーム、耐震偽装事件と住宅建築にまつわるイヤな事件が続いています。住まいという何よりも安心、安全であるべき場所が否定されたのですから、人々の怒りが爆発し、住宅に対する不信感が高まったのも当然でしょう。それに何といっても、多額のローンを組み、やっとの思いで手に入れた夢のマイホームがまったく資産価値を持たなくなってしまったのですから、その無念さは察してあまりあります。一連の事件を通じて資産価値のある住まい、資産価値を高める住まいへの関心が今後一段と高まることは間違いありません。
当ブログでは、ほぼ1カ月にわたって資産形成と住宅のあり方について述べてみたいと思います。
まずは米国と日本との住まいに対する考え方の違いについて触れてみましょう。知人から聞いた実際の話です。
米国生活が長くなりそうということで、赴任して間もなく住まいを17万ドルで購入。敷地は2分の1エーカー(約600坪)で、庭付き・プール付き。その庭も緑の芝生で敷きつめられ、犬も走り回れる。いま愛犬家で話題のドッグラン付き住宅という立派なお屋敷です。
12年間を過ごしたところで帰国命令。そこでその家を売ることになり、50万ドル位で売れると見積もりました。隣の同じような物件が50万ドルで売れていたからです。
不動産屋が早速調べにきました。芝生の様子から樹木の剪定の具合、各部屋のチェックはもちろん、エアコンなど設備の状況も。結果は40万ドル。樹木の手入れやクーラーのメンテナンスが十分でないという理由でした。10万ドルの差は大きかったが、ここに米国と日本の住宅に対する考え方の違いがあるということなのです。
手入れ如何で値が変わる。日本人は住むのに不都合がなければよしとし、手入れをしたり、メンテナンスにお金をかけるという意識は少ない。しかし、米国では家は資産であり、住み替えを続ける中で、高く売り、資産を増やしていくというのが常識なのです。
米国の人たちはキッチンをピカピカに磨き上げ、壁のペンキを塗り、芝生の手入れにも余念がない。こうした光景を、日本人は米国人はきれい好きな国民と見るかもしれないが、実態は高く売って資産形成をしていくという、いわば欲と道連れの側面もあるのです。