住民協定
欧米の大都市の郊外などでは、はっとするような美しい街並みを見かけることがあります。手入れされた庭、色合いの調和した屋根や壁などの家々の外観、そして道路沿いの並木など、それはどう見ても一軒の家だけでは作りようがなく、その地域の住民たちの意識を反映するように整っています。
これは当然、環境のいい美しい街に住みたいという自然の欲求が第一の理由ですが、美しい街、高級住宅街というように地域のイメージの評価を上げることにつながり、財産価値を高めることになります。家を売却する際に有利になるわけです。日本でも、地域がどのように評価されているかが、家の資産価値を決めるための1つのポイントとなりつつあります。しかし、一軒だけが突出した意識を持っていても、地域の足並みがそろわなければ意味がありません。どのような街にしていきたいか、そのために個人は何をすればいいかを、地域の多くの人たちで考え決定し実行していかなければ、望む街づくりはできません。そこで住民協定が必要になるのです。
住民が共通のコンセプトをしっかり持ち、積極的に街づくりに関われば、その地域の事業所や施設や行政も動くはずです。ある街で、駅前にけばけばしい外観のパチンコ店ができるのを知った住民たちの働きかけに店側が応じ、一般的なパチンコ店とは趣の違う石造りの高級レストランのような外観にしたという話などは典型的な例です。
住民協定を敷くことは、そうたやすいことではありません。住民の中には、束縛されることに抵抗感を持つ人もいるでしょうし、いろいろな理由で実行できない人もいるのは当然です。大事なことは10年、20年後にどのような街にしたいかというビジョンを持つことで、住民協定も目先のことでなく、長いスパンで考え、決定することです。多くの住民の賛同を得るためには、そのビジョンを話し、実現すればそれに伴って資産価値が上がることも説明しておきたものです。