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HABITAは、MISAWA internationalの大断面木構造住宅の新ブランドです。新しい200年住宅の時代を作ります。



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2006年03月31日

資産価値が上がる住まいづくり8か条

これまで、ほぼ2カ月にわたって、資産形成に役立つ住まいづくりについて記してきました。この項の最後に改めて資産価値が上がる住まいづくりについて8か条にまとめてみました。

1.5つの住環境が大切です。自然、交通、教育・文化、医療、ショッピングの五つの
  環境が、将来的に良くなるだろう明るい見通しの地域を選ぶことが大事です。

2.建物は長耐久性を持つ100年住宅を選ぶ必要があります。

3.どのようなライフステージにも対応できる標準的な企画住宅を選ぶことが重要。
  将来の住み替えに対応、高く売るためです。

4.住宅の品質確保促進法による性能表示制度で、上位に性能評価された設計・施工の
  住宅を選ぶことが大切です。

5.メンテナンスを5年間おきに150万円ほどかけて常に新しい状態に保つ努力をしてい
  る家であること。

6.庭木を育てる植栽計画がしっかりと作成されていること。

7.美しい街並みをつくるための住民協定、建築協定があること。

8.暮らし、生活する中で、子供の人格形成に役立つ子育ての工夫があり、家族の愛情、
  絆を強める空間設計がなされていること。

次回からは、住宅づくりとは不即不離の「宅地」について、その選び方を含めて触れていきたいと思います。

2006年03月29日

住居費ゼロの住まいづくり

日本も米国に比べ80年遅れはしましたが、住宅性能をランク付けする性能表示制度もスタートしました。そこでは100年ほどの耐久性を持つ住宅づくりを目指すことになりました。性能のいかんが、やがては将来売るときの価格に反映されることになるでしょう。良い住宅が、適正に評価されるという極めて当たり前の時代が来るだろうと思います。

これまでの住宅なら100年で新築を入れて4回は建て替えていました。しかし、これからは100年住宅とし、適切な維持管理を行うなら、そのメンテナンスコストは100年間で1軒分の建て替え費用とほぼ同じで済みます。つまり100年住宅とメンテナンスで2回分の建て替え費用が浮くわけです。そう考えると、将来、売るときの値段は、土地の値段+家の値段+メンテナンス代、それに金利分だって乗せて売ることができるのです。つまり、売るとき、それまでの住居費はゼロという計算が成り立つのです。

住み替えのときに購入価格より高く売ってこそ資産形成ができます。住んでいた期間に投じたメンテナンス費や住宅ローンは取り戻したい。そのためにも家のグレードを高め、家の価値を上げる努力をし、住居費をゼロにする住まいづくりが大切なのです。

2006年03月27日

高齢社会に注目のリバースモーゲージ

最近、リバースモーゲージが注目を集めています。その仕組みはよくわからなくても、リバースモーゲージという言葉を知っている方は多いのではないでしょうか。もう15年ほど前に東京都武蔵野市が初めて導入し、脚光を浴びたことがあるからです。

リバースモーゲージとは高齢者が自分の住んでいる住宅を担保に銀行などから定期的に融資を受ける金融商品です。利用者の死亡など契約期間が終了すれば担保不動産を処分して借入金を清算します。欧米では、この融資を年金的に受け取り、生活費などに充てるかたちで普及しています。

リバースモーゲージは借り手が持つ固有資産、つまり住宅を現金化します。しかも、持ち家を売却せずに、住み続けながらその生活資金を得ることができるのです。現在の日本の高齢者は持ち家という固有資産は保有しているものの、医療費の負担額の増大や年金の減額などで、厳しい生活を余儀なくされつつあります。それだけに、生きているうちに、持ち家をいわば切り売りする形での生活資金の補填を得るというリバースモーゲージが再び有効視されてきた、ということなのです。

理論的に十分に納得のいく仕組みとして15年も前に武蔵野市が導入し、さらに他の地方自治体や信託銀行でも取り扱いを始めています。ところが、現実にはもう1つ普及の伸びが見られなかったのです。普及しなかった理由は、リバースモーゲージがもつ特有のリスク、例えば不動産価格が下落して担保割れが発生してしまったことです。また、米国などに比べて日本の住宅寿命の短さ、中古住宅流通量の小ささなど、いわゆるストック型の住宅市場が形成されていない点、さらに金利そのものの長期見通しリスクという3点があります。しかし、ここにきてリバースモーゲージが改めて注目を集め始めたのです。転機となったのは厚生労働省が2003年度から導入した「長期生活支援資金貸付制度」です。生活福祉資産の新しい形として実行されるリバースモーゲージの一種で、各都道府県が主体となり、国が援助する仕組みとなっています。いま全国で着実な普及を見せ始めています。この流れの中で民間の住宅メーカーなどもリバースモーゲージの取り扱いを始める動きが活発化しています。

高齢社会の一層の進展の中で、老後不安を唱える声も高まる一方です。それだけに、持ち家を活かして生活資金を年金的に受けるという方法は魅力的だと思うのです。とくに、普及の隘路といわれてきた住宅の品質・性能について性能評価住宅の普及や証券化ローンの適用物件が増えていけば資産価値を持つ住宅が今後、中古住宅流通市場に出ていくことでしょう。その中で、リバースモーゲージが本格的に根を下ろしていくことは十分に考えられます。そのためにも、これからの住まいづくりは資産価値の高いものを心がけなければいけないということになるのです。

2006年03月24日

世界最強の住宅開発を

住宅性能表示制度が本格普及の兆しを見せているのは大いに歓迎すべきことです。そのきっかけが“耐震偽装”という、あってはならないことであったとはいえ、何事も刺激が大事ということの証しかもしれません。同制度がスタートした当初から、住宅メーカーとして同制度を利用するのは当然の義務とも思っていただけに、私としては普及が進まないのが不思議でならず、不満でもありました。ただこれからは、安全・安心、そして快適な住宅の評価基準として同制度が活用されていくのは間違いなく、いわゆる品確法は、住宅メーカーの“品格”につながるものとも理解したいところです。

今後、品質・性能に自信のある住宅メーカーは当然ながら、性能表示の全項目の等級区分において最高ランクの取得を目指し、それを商品の差別化要因にする動きも出てくるでしょう。コストの問題はありますが、業界にとっても、消費者にとっても、品質・性能競争は決して悪いことではないのだと思います。ただ、住宅に携わっている身にとっては、これで満足してはいけないのだと思います。次なる目標、つまり世界の中でも最高ランクの品質・性能基準をクリアする住宅にも挑戦することが大事だと思うのです。

世界各国の性能基準の調査も行ったのですが、例えば省エネ性能ならカナダの基準が一番厳しい。カナダでは「C-2000(アドバンスド・ハウジング・プログラム)」というものも登場してきています。これは、年間の光熱費を従来の高断熱住宅「R-2000」と比較して50%以上低減できるという超省エネ住宅です。もし、世界最高水準の住宅を開発するのであれば、これ以上のものを作ることが最低条件になるということでしょう。

一方、耐久性となるとやはりイギリスの住宅以上のものをつくる必要があります。なぜなら、イギリスの住宅が世界で最も長寿命であるからです。さらに、環境基準となると、ドイツが対象になってきそうです。イギリスの住宅より長寿命で、カナダの住宅の省エネ性能よりも優れ、ドイツの環境基準もクリアする、これこそ世界最強の住宅です。住宅という仕事に関わる以上、是非ともこうした世界最強の住宅をつくってみたいと思っています。

2006年03月22日

住宅性能表示制度の活用を

わが国には、これまで長年にわたって住宅にはその性能や機能を表す基準というものがありませんでした。ユーザーは自分で実際に家を見に行くか、メーカーに問い合わせて聞いたり、独自に調べるということくらいしかなかったのです。しかも、メーカーごとにその基準もまちまちだったので、正しく比較するのが難しい状況でした。これではいけないと、国土交通省によって平成12年に施行されたのが、住宅品質確保促進法による「住宅性能表示制度」です。

住宅性能表示制度は、耐震、耐火、劣化対策、省エネ対策、耐風、高齢者配慮、維持管理対策、ホルムアルデヒド対策など9分野29項目について性能評価を行い、4~1等級のランク付けを行います。この3月からは防犯性能も追加され、10項目になっています。性能評価をするのは国土交通省の指定(3月からは登録制)を受けた第三者機関としての性能評価機関です。これによって住宅の性能についての、いわば共同言語ができ、客観的な評価、ランク付けが行われるわけです。画期的なことといっていいでしょう。

「安くても性能が良い家」や「高いのに性能が悪い家」が一目瞭然です。消費者サイドで「良い家」「悪い家」の判断ができることが何よりも素晴らしいのです。ところが現実問題として同制度がスタートして丸5年が経つのですが、決して順調な普及ぶりを見せているとは言い難いのです。新築住宅の着工戸数に対して、住宅性能表示制度の利用率は平成16年度の実績で13.7%(設計評価)にとどまっています。評価費用などコストアップにつながるなど理由はいろいろありますが、やはり一般ユーザーがこの住宅性能表示制度のことを知らないというのが一番だったと思います。

しかし今、住宅性能表示制度は大きくクローズアップされています。言うまでもなく、耐震偽装設計の影響です。一連の耐震偽装事件で一般ユーザーの住宅の品質・性能への要求と検証はことのほか強まっており、その信頼の具体的なよりどころを求めるようになっているのです。また、住宅供給企業も販売する住宅の品質・性能をアピールする必要に迫られており、その具体的な表示なしにはユーザーの信頼を得られず、住宅も売れなくなってしまいます。耐震偽装でユーザーの選択が財閥系や大手メーカーに流れていっているのは、その何よりの証拠です。

こうした背景から、第三者が性能を評価し、表示する住宅性能表示制度が注目を浴びるようになったというわけで、ユーザーも住宅メーカーもいま同制度の活用がにわかに高まっています。その意味では、“災い転じて福”といっていいのかもしれません。価格と性能が一致しない家を買わされて泣かされた消費者も多かったことと思います。しかし、これからは住宅性能表示制度の本格普及によって、これまで不透明だった部分が透明化されていくと期待していいのだと思います。

2006年03月20日

十年一昔

昨今の自然と親しみたいという希求の強まりは日本人が日本人に戻りたい、という希求の強まりにほかならないように思えてなりません。無機質な都会に住み、季節の移り変わりにさえ鈍感になりがちな生活をしていると、いつの間にか人は自然を求める飢餓難民のようになってしまう。人は心のどこかで土や木や草花を求めているのだと思います。草花をいつくしみ、育てる心は子育てと同じだと思うのです。ガーデニングが盛んになるのも当然です。

庭木を入れると、非常に高くつくといわれますが、必ずしもそうとはいえません。たとえば10㎝くらいの苗木を庭に植えておくと、10年も経つとおよそ2mくらいの庭木に生長します。ところが、あらかじめ人間の背丈くらいの庭木を買ってきて植えてみても、同様に10年間で2m程度にしか育たないのです。つまり、10㎝程度の植木のほうが、最初から人間の背丈ほどの高さのものと比べると、10年間に高さが逆転するということです。これは最初に小さいほうが根が強く張り、いったん土壌に合うと急激に生長することを意味します。考えてみると、企業で新入社員が先輩社員を超えるのが10年、10歳の子供が20歳になって親を超える。十年一昔とも言います。10年はやはり1つの区切りなのでしょう。

植木屋が育てた根のついていない庭木を入れて、庭をつくるとすれば、どうしても見かけを整えようとするので、手っ取り早いけれども金がかかる。少し長い目で見て、苗木から育て、住環境も育てることが庭づくりというバイオテクノロジーの趣旨に合っているのです。家族そろってピクニックに行き、ドングリの種を拾ってくるのもいいでしょう。早速、帰って塀ぎわに一定の間隔で植えておくと、春にはいっせいに芽をふく。10年も経つと樫の木になって生け垣の役目を果たすようになる。20年もすれば、立派な木に成長し、樫の木に囲まれた住宅になるのです。

10年も待てないせっかちな人はヒマワリの種でもよい。1年目で一面に大きく花が咲く。きれいに手入れをすれば、近所の評判にもなり、方々から見物に来るようになるでしょう。こうなれば、すばらしい住環境というわけで、家を手放す場合も高く売れることになります。庭づくり、環境づくりというのは、その人、その人の知恵なのです。

2006年03月17日

交通事故のない街

交通事故は一向に減る様子はありません。交通事故は被害者やその家族に、また時として不可抗力で加害者になってしまった人やその家族に、徹底的な打撃を与えてしまいます。信号まで遠いので、信号も横断歩道もない道路を横切る高齢者。狭い道路の端を行く通学途中の小学生の列の脇すれすれに、大型トラックが通っていく光景に、これでは事故も起こるだろうと思います。

十分な道幅の確保、歩道と車道の分離、歩行者にも車にも配慮した交通規制など、交通事故を少なくするための都市開発、街づくりが望まれます。ただ、ここでも先に述べた外国のランドプランニングという開発手法が参考になります。交通事故を十分に視野に入れた開発設計を実現しているのです。自然の地形と植生をできるだけ生かした環境優先の街づくりです。共有のコモンスペースに広場や植栽、プレイロット、ストリートファニチャーを設け、集中駐車方式にして街の中を歩行者専用緑道で結ぶ。はっきり言えば、そのコミュニティ全体を車御法度にしてしまうのです。入れるの車は緊急自動車と、高齢者や雨の日のためのコミュニティ専用の乗り合いバス、そして街の出入り口につくったゲートで許可を受けた車のみ。街の中は徒歩か自転車で行き来する。街の外側に駐車場をつくり、車を利用する人は、駐車場まで徒歩か自転車か乗り合いバスで行く。遠くへ出かける人も同様だ。スーパーマーケットや銀行、学校など生活に必要最低限の機関や施設、店舗などはコミュニティ内にあるのだから、出かけなくても生活できる。健康にもいいし、空気の汚染もなく、交通事故も皆無でしょう。

こんな街だったら、安全な街というイメージができます。子どもや高齢者がいる家庭なら、きっと住みたくなると思います。安全な街という風評が伝われば、街のクオリティが上がり、そこにある家の資産価値が上がる。交通事故が頻繁に起こる街というイメージができてしまうと、その逆になることは言うまでもありません。

2006年03月15日

犯罪を防ぐ家

最近集めた主婦からの住宅に関する意見で、もっとも必要とされる住宅設備としてトップにあがったのは防犯です。これまでは収納やキッチンに関するニーズがダントツでした。しかし、最近の凶悪事件続きで、家族や子供を守ることができる家を第一に考えるようになったということです。

日本は以前は地元民の結束が固く、防犯意識も高かったが、近年は地域社会が解体し、隣人とのコミュニケーションも希薄になってしまい、地域の防犯機能は低くなるばかりです。泥棒に狙われないためには、泥棒が心理的・物理的に犯罪を起こしにくくする環境をつくることが大事です。泥棒を予防する設計をすることによって、かなりの侵入を防ぐことができます。戸建住宅の場合は、敷地内の塀・植栽、物置、ベランダの腰壁などの構造、配置、デザインなどが重要。また、街並み全体に関して言えば、道路、公園、防犯灯、街区構成なども注意が必要になってきます。

ある団体が泥棒にアンケートをとったところ、空き巣を働こうとして侵入をあきらめる時間は5分以内が約70%、10分以内が約90%となっています。つまり、侵入に10分以上かかる場合は逃げ出すということです。窓やドアなどで10分持てば、泥棒を諦めさせることができるというわけです。泥棒に嫌がられる家をつくらなければならないのです。ご近所同士、不審な人がいたら声をかけるなど、注意しあうことが犯罪を未然に防ぐ一番のセキュリティシステムかもしれません。住民の目がつきまとうような場所には泥棒は寄りつけないのです。

警察庁は毎年「犯罪発生マップ」をつくり、公表しています。犯罪件数の多い街はやはり住み替えるとしても敬遠してしまいます。安心、安全の街こそ、資産価値の高い街であり、家なのです。

2006年03月13日

木造住宅の天敵「白アリ」

木造住宅の最も手強い天敵は「白アリ」です。白アリによる住宅の被害総額が年間3,000億円を超えるというデータがあり、これは火災による被害額の、実に約2倍にあたります。地球温暖化の影響です。かつて白アリは沖縄でしか見られなかったのですが、1950年代に九州まで繁殖し、60年代には大阪、さらに現在は仙台にまでその姿を見るといいます。ところが、ついに北海道にも現れたという話を聞きました。白アリは全国制覇したことになります。

白アリというと、今でも思い出され心が痛むのが阪神・淡路大震災です。住宅に携わるものとして、多くの住宅が倒壊し、その住宅がいわば凶器となって人命を奪い、また傷つけたことに大きな衝撃を受けました。とくに、倒壊した住宅の多くに白アリの被害が見られたことも衝撃的でした。大阪市立大学が、震度7を記録した2地域で調査した結果では、白アリによる腐朽・蟻害が見られる家の全壊率が89%と非常に高い。白アリの被害がなければ、倒壊せずにすんだといわれます。

木材こそ最高の建築素材と考えていた私にとって、白アリ対策は特別の大きな課題となりました。白アリは、風通しの悪い、湿気の多い場所で繁殖します。そして光のあるところは好まず、床下を食い荒らします。木材の表面ではなく芯の部分にダメージを与えるので、発見しにくいことも特徴なのです。発見しにくいので、どこにどんな被害が及んでいるかも分かりづらい。したがって駆除が難しく、駆除にはコストがかかります。また子供やペットに悪影響を与える薬品を使う駆除方法もあるので、気をつけたいものです。

家を建てるときは、風通しと日当たりのいい家を心がけたいものですが、床下の基礎の上に、白アリをシャットアウトするシートを貼り付けバリアをつくり、半永久的に白アリを寄せ付けない無公害防蟻工法を普及させなければならないと思っています。住宅の資産価値に「白アリ」はまさに天敵なのです。

2006年03月10日

家の形は正方形に

乾燥材を使う、基礎を高くする―に続く家づくりの基本条件は、家の形は正方形に近いシンプルな形がいちばん、ということです。

一口で言えば、標準的な設計の家づくりをするということです。ともすると個性を前面に出し、奇をてらった設計をするケースを見かけるのですが、こうした家はいざ中古住宅市場で売ろうというときになかなか売れないのです。その点、標準的な設計の家は幅広い層にフィットするので、売りやすい。家は将来、売るときに売れる家でなければいけないのです。値上がりする家は形に現れるというわけです。それに何より、形が複雑で凹凸のある家は風雪に弱く、傷みやすいのです。外周も長くなります。同じ面積であれば、正方形がもっとも外周が短くてすみます。

形が複雑な家は、同じ床面積の家でもコストはそれだけ割高になります。傷みやすくもなるので寿命も短いのです。それだけではありません。複雑な形の家は表面積も増えるので冷暖房のロスが多くなり光熱費もかさみます。正方形の家は省エネ住宅になるということです。 先に、米国の1933年における経済大恐慌で新設住宅の着工がピーク時の93万戸から9万7000戸と10分の1に急落したことをお話しました。このとき、住宅産業で勝ち残ったのは長持ちし、基本に忠実な住宅会社だけであり、そうした住宅に金融機関も融資したと話しました。そのときに融資した家はまさに、正方形に近い建物であることが条件の一つであったのです。

2006年03月08日

乾燥材、高い基礎

資産価値が高く、古い家が高く売れる条件について記してみたいと思います。家の条件の第一はなんといっても強く、寿命が長い家です。そして、この寿命は構造体そのものの寿命に負うところが多いのです。よく木の家は耐久性がないなどといわれますが、そんなことはありません。法隆寺が1400年前の創建当時とほとんど変わっていないのをみれば明らかです。

木の寿命を長くする―それは木材の含水率を抑えることで実現できます。つまり、乾燥させるということです。自然乾燥を行い、さらに人工乾燥も行って含水率を18%以下にすれば万全、寿命は1000年におよぶのです。ちなみに木は導管の中の水に腐朽菌が入り込むことによって腐ります。この菌は含水率が常時35~50%の条件下で繁殖し、18%以下では繁殖することは皆無です。かつて、木材は山から切り出し、建築現場へ運ばれるその間に充分に自然乾燥されていました。ところが、流通が進み、充分乾燥されないまま使われるのが問題なのです。伐採後、充分に乾燥させた木材は徐々に強度を増していきます。驚くことに強さのピークは伐採後200年といわれます。それから1000年以上かけてゆっくりと伐採直後、いわゆる新材と同程度の強さに戻っていくのだそうです。法隆寺はまさにその証拠というわけです。

含水率チェックをしっかり実施しているかどうかは住宅選びの必須です。また、次の条件として床高基礎をなるべく高くしたほうがいい。昔の木造住宅には縁の下がありました。そこに薪などを入れて保存していたものです。しかし今では、鉄筋コンクリートの基礎と土台を設けているので縁の下はなくなってしまいました。縁の下には風通しをよくする働きがあり、家の土台を腐らせずに、長持ちさせたのです。基礎が低いと地面から湿気などが上がりやすく、通気も悪いと、カビなどが発生し土台が腐りやすくなってしまいます。日本は湿度が高く、梅雨や秋雨など季節の長雨もあります。床高はできるだけ高く、これが家を長持ちさせる基本です。

2006年03月06日

現在、10年後、20年後

家は、家族の人数やそのライフスタイルに合わせて変わっていくべきものと思います。実は、百聞は一見にしかずで、目で見える形にして納得してもらおうということで新築時、10年後、20年後と、家族とともに成長していく住まいを、3棟のモデル住宅として並べたことがあります。

新築時にはきわめてシンプルな空間とし、10年後は育ち盛りの子供を核に働き盛りの充実した家族のための空間に、そして20年後には子供も巣立ち、趣味や余暇を楽しむ円熟した夫婦2人の空間として提案したのです。インテリア、家具、間仕切りなどを変え、リモデリングすることでこんなにも空間が変わり、新鮮になるのかと身をもって体験してもらうのも狙いでした。それともうひとつは、年数を経ても住宅の価値は下がらないということを実際に見て体感してもらいたかったのです。20年たったときの住宅の佇まいを見て、変わらず新鮮で、古くなっていないということを、目で見て確かめてもらいたかったのです。それどころか、庭の植木もだんだん成長し高木になり、資産価値の高くなっていることも実感できます。

3棟のモデル棟を巡ることで、資産価値の高まっていく未来の自分の家をヴァーチャルに旅することができるというわけです。20年後にはすっかり見る影もなくなっている家もあれば、逆に輝きを増している家もあるでしょう。とかく、住まい選びは現状の姿だけを見てよしあしを判断しがちですが、未来を見ることが大切です。

2006年03月03日

テーマのある街

これからの街づくりにデベロッパーの果たす役割はひときわ大きい。デベロッパーはどんな街づくりをしたいか、どんな暮らしのできる街か、のコンセプトをしっかりと打ち出し、10年、20年、30年後にこの街がどのような姿になるかのイメージをしっかり持って、分譲時に説明するべきなのです。土地や建物を分譲してハイ終わりというのでは困る。せめて街の植栽が全部育ったときに、どのような景観、街並みになるかのプランを提示してほしい。ユーザーもそうした将来の街の姿を気に入って購入するということが大事なのだと思います。

家庭菜園を楽しめる街、病院・老人ホームなどを誘致しての健康の街などはその一例です。なかでも住まい選びの重要なポイントは、分譲地内にある自然にあります。働き盛りの40代の男性に、「老後にどんなことをしたいですか」と聞くと、「草木を楽しむ庭づくりをしたい」「土いじりをしたい」と答える人がいちばん多い。書店にはガーデニングの雑誌が並び、カルチャーセンターでもガーデニングは人気の高い講座のひとつといいます。

さらに最近では田舎暮らしを勧める雑誌や定年帰農という言葉さえ流行っています。人々の自然への希求の強さは現代人の疲れを示すシグナルなのかもしれません。農耕民族である日本人には時代がいくら変わろうと原体験として自然と共生し、自然に感謝し、愛する美意識が生活の中に息づいており、日本の文化をささえてきているように思えてならないのです。

自然のなかを歩いているうちに、いつしか幼い日々を思い出させるような、そんな懐かしい街があってもいいのではないかと思います。懐かしい街づくりの提案、そんなアプローチがあれば、住み替えてもいいという人も多いのではないでしょうか。とくに人工的で無機的な分譲地に辟易している年輩の方ならば、興味をもたれるはずです。こうした魅力ある街づくり、すなわち「住み替えたくなる街づくり」がどんどん行われるようになったらと思います。

2006年03月01日

窓辺の花も生活の知恵

イタリア、フランスなどヨーロッパの都市に行くと、日本人の誰もが感心するのは、家々の窓辺が実に美しく花で飾られていることです。道行く人々を楽しませてくれる心優しさが感じられます。

ところが、よく観察すると夏場など白、赤、紫などの花をつけたゼラニウムが圧倒的に多いことがわかります。花に詳しい方なら知っているでしょうが、ゼラニウムは蚊が嫌う。つまり、窓辺にゼラニウムを植え、飾ることが住まいを美しくするだけでなく蚊よけとなり、室内に蚊が入るのを防ぐことになるのです。ゼラニウムが網戸代わりというわけです。ただ何となくきれいにというだけでなく、草花の特徴を十分に知り、活かしていることに感心します。生活の知恵というわけです。

日本のガーデニングも、蚊よけをはじめ暮らしに役立つ実利的な草花を選んで、住まいを美しく飾ってはいかがでしょう。もちろん、そのためには植木や草花の勉強をしっかりすることが求められるのはいうまでもありません。多くの植物には薬効のあることが知られていますし、どんな木には、どんな鳥がくるか、どんな昆虫がくるか、もわかっています。そんな植物・樹木の特徴を知れば、ガーデニングももっと楽しくなるはずです。

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