谷、川のつく地名はこわい
もともと人は、より安全で暮らしやすい場所を自分たちで探し、住居を造りました。経験と本能から探し当てていたのでしょう。安全で暮らしやすい場所に人が集まり、自然に集落として形成されていくのですが、古地図を見ると、人間がいかに住居探しの名人だったかがわかります。
低地で湿気の多い場所に水田をつくり、人々は水田より少し高い場所に集落をつくり、住んでいます。川の氾濫や強い風による被害を受けずにすむか、また最小限の被害ですみそうな場所にも集落をつくっています。沢や沼のすぐ脇も湿気が多く地盤が軟弱なので、家は多くありません。現在のように人工的な宅地もなく、風雨や暑さ寒さなど自然環境の厳しさをそのまま受けなければならなかった時代、人が安全に暮らしやすく住める場が、そうそうたやすく見つかったとは思えません。
しかし、住む土地を選び間違えたら生死に関わることを知っていたからこそ、土地選びには真剣だったに違いないし、選択眼も鋭かったのだと思います。そう考えると、昔からずっと人が住んでいた土地は、まず安全だということができます。昔の人に選ばれなかった土地は、基本的に人の住まいに適していないのだと思います。私は、地名に谷や川のつくところは、要注意と考えています。川のつく地名は、今は埋め立てられていて川の姿は見えなくても、かつて川が流れていたところがほとんどです。湿気が多く、地盤が軟弱だと予想されます。谷とつくところは、かつて谷か、もしくは二方向からの下り坂がぶつかる谷地かであったことが考えられ、水が流れ込んで地盤を弱くしている可能性が高いのです。
同様な理由から、沼、沢とつくところも気をつけたい。丘、山のつく地名もこわい。この地名はだいたい高台にありますが、強い風が吹き、風害を受けるおそれがあります。