ダイオキシンの恐怖
かつてベトナム戦争の際に散布された枯れ葉剤に含まれたダイオキシンの影響で、奇形児として生まれた双子の少年が、日本でも話題になったことがあります。間違った情報だったのですが、埼玉県所沢市の農家で生産される野菜に高濃度のダイオキシンが含まれると社会問題になったことも記憶に新しいことです。
ダイオキシンが「史上最強の毒物」といわれ、発ガン性、催奇形性をもつ物質であることなどは、すでに十分にご承知のことと思います。その発生源の1つとしてゴミ焼却炉があります。ダイオキシンが煙突から出る煙や灰に含まれて空気中に吐き出されているということです。また工場跡地などでは、土壌にダイオキシンがしみ込んでしまっていることがあります。ダイオキシンには、非常に長い期間分解しない特性があり、土壌に含まれたものは、数十年から百年間もの間、わずかずつ分解されるのです。微生物による分解もほとんどなく、これもダイオキシンの怖さの1つです。
このような汚染された土壌の上もしくはその付近に、知らずに家を建ててしまうこと、また空気中のダイオキシン濃度の高い地域に家を建ててしまうことの怖さは、いまさら言うまでもないでしょう。工場跡地を不動産として販売するのであれば、その業者はきちんとした土壌調査をし、結果いかんでは可能な限り洗浄をし、その経緯なりを報告するべきなのです。行政も、それ抜きでは建設を許可しないということです。大手デベロッパーの高層マンションが販売後に問題となり、取り壊した事例もあります。ごみ焼却炉の煙が気になるところであれば、煙に含まれるダイオキシン濃度を調査し、データを公表するべきです。
このような場所に暮らすことは、危険と隣り合わせていることです。行政や民間の調査機関から情報を入手して、疑わしいことがあれば、業者に質問してみる。そのときの対応でその業者の信頼度や誠実さがつかめるはずです。調査も何もしておらず、売ればいいといった態度の業者であれば、さっさと見切りをつけるに限ります。