すべての土地に値のつく不思議
じっくり考えてみると、世の中には不思議というか、おかしいことがずいぶん多いことに気がつくものです。
土地の値段がそうです。日本列島のすべての土地に値段がついているというのはおかしいと思うのです。大体、土地というのは利用されてこそ価値が出るものであり、値段がつくのです。役立たずの土地に値段がつくことがおかしい。京都の大文字焼きをする山を開発できるか、富士山を買えるか、皇居を買えるか―というわけです。
市街化調整区域や丘陵地などもそうです。開発できないのに値がつくこと自体、奇妙としか言いようがない。世界では砂漠や森林など値がついていない土地はたくさんあります。ところが、日本では全て値がつきます。すべての土地に値段がつく―というこの勘違いが日本の土地神話を生み出したのです。どんな土地でも持っていれば必ず値上がりする、という勘違いが、見境なしの土地漁りに日本中を走らせたのです。値上がりするという保証があれば、これもまた当然のことですが、誰もそんな保証をしたはずがありません。まさに神話の神話たるゆえんです。利用される土地、利用されない土地の区別は、はっきりしたいものです。