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障子の繊細の美

谷崎潤一郎の著書「陰翳礼賛」のなかにこんな一節があります。「大きな伽藍建築の座敷などでは、庭との距離が遠いためにいよいよ光線が薄められて、春夏秋冬、晴れた日も、曇った日も、朝も、昼も、夕も、殆どそのほのじろさに変化がない」

そして、そのような部屋にいると、「時間の経過がわからなくなってしまい、知らぬ間に年月が流れて、出てきた時は白髪の老人になりはせぬかというような、『悠久』に対する一種の怖れを抱 いたことはないだろうか」

谷崎は日本座敷の持つ神秘性は障子や砂壁、床の間などの醸し出す「陰翳の魔法」によるとしています。まさに日本家屋の美しさは、凛と張りつめた繊細な感性といえるでしょう。障子は機能性、快適性という面からも優れた存在です。ガラスより断熱性能が高いのです。田舎の古い家などの障子の窓は寒いように見えますが、実はガラス窓より暖かいのです。障子はリフォームも簡単にできます。年末に一家総出で障子を張替え、正月を迎えます。これは、家族のコミュニケーションを育む大切な行事だと思います。障子に張られた和紙は、湿度が高くなると湿気を吸収し、乾燥すると水分を吐き出す湿度調節機能をもち、じめじめした梅雨時などに真価を発揮します。また、和紙の持つフィルター効果も見逃せません。和紙は空気を通しますが、空気の温度は紙の部分に残ります。冬、室内が暖かいときは室内の温度を保ちつつ換気をし、外気は障子紙のぬくもりを拾って室内に入ってくるので寒気が和らぎます。障子は、江戸時代以降、庶民の窓がわりとして普及していくこととなるのです。そのほか、空気ろ過作用や日光を直接受け止め、有害な紫外線をカットする効果もあります。

美と機能性を併せ持つ障子。うまく取り入れれば、洋室にもマッチします。私は、障子は住宅分野における世界規模の発明だと思っています。この日本的美の象徴を今後も大切に守り伝えていきたいものです。

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