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茶室(1)

日本人の楽しみは奥が深い。だから長続きするのです。なかでも、茶道となると幅が広く、奥も深い。極めようとしても行き着くところがないのです。路地入りからの作庭に始まって茶室のしつらい、さらには茶の作法、会話まで、それは日本の精神文化の凝縮であり、総合芸術の集約でもあります。

四畳半という小空間の茶室は日本建築の粋であり、縦70㌢前後、横幅65㌢前後の小さな出入口である「にじり口」は茶の湯を楽しむ異空間へ誘う絶妙の設計です。茶道具や床に飾る掛物、花など、一つひとつに意味があり、想いがあります。ご亭主のお客をもてなす心意気が隅々にこめられています。

茶の湯は「客をもてなす」遊びです。公家、武家、そして庶民へと広まりました。客を待ち、客を迎える亭主の心入れと喜びを表現するしつらい、工夫が日本人の心の琴線にふれるからでしょう。遊びが文化、芸術になるのです。これほどの贅沢はありません。

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