大家族主義
核家族化が進むところまで進んでしまった今、大家族が昔とは全く別な角度から見直されています。核家族制度は戦後、アメリカからやってきたもののように言われていますが、アメリカでも上流の家族はバラバラではなく、三世代同居の例が多いのです。アメリカ社会の中で、いわゆる上級、上層部を形成するワスプ(WASP=ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)と呼ばれる階級の家庭は、三世代同居が主流を占めています。
ここに生まれ育った子どもたちは、生まれながら一族の血を受け継ぐ、エリートとしての徹底的な教育を受けます。とくにやかましいのは礼儀です。男の子は父親と祖父から徹底したエリートとしての教育を、女の子は母親と祖母から将来よき花嫁になるためのしつけを受けて育つのです。
イスラエル王国、ユダヤ王国は2500年以上前に滅亡したにもかかわらず、ユダヤ人が今日に至るまで強烈な文化と宗教を継承しつづけてきた背景には、三世代同居という家族制度があるといわれています。ユダヤ人の場合、国家に代わって家庭がその役割をしてきたのです。知恵や文化の伝承は親から子、子から孫へと受け継がれていくのが自然です。それに子どもたちにとっても、家族の人数は多い方がおもしろい。祖父母からは、両親とは少し違った話が聞けるし、男は男同士、女は女同士でまとまって、家庭の中で遊びの世界を展開できる機会が多くなるからです。
家庭内でそれぞれの世代が互いの世代の背後にある文化を吸収しあうことが、結果として多世代で構成する社会を豊かにしていくことにつながると思うのです。