MISAWA international

HABITAは、MISAWA internationalの大断面木構造住宅の新ブランドです。新しい200年住宅の時代を作ります。



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2006年08月30日

携帯電話が生活ツールに

家電メーカーなどがデジタル家電に向けてインターネット経由でさまざまなコンテンツを供給する動きを加速させています。また、一方で、ネットワーク家電を操作するリモコン端末の機能を携帯電話に行わせる動きも活発化しそうです。

携帯電話にはいまやメール、インターネット接続、電子マネー、テレビ、ラジオといった機能が次々に搭載されています。もはや、電話というワクを超え、生活ツールとして欠かせない存在になってきたのです。

とくに、国際的に定められた第三世代携帯電話が登場するに到って、高速なデータ通信が可能となり、音楽や動画の配信、テレビ電話などのマルチメディアを利用したサービスが提供できることから、携帯電話は格段に進化を遂げてきています。なにしろ、高速データ通信が可能になったことにより、静止画だけでなく、動画や音声ファイルの送受信がスムーズにできるようになりました。また、データ通信にかかるコストが安価なためパゲット定額制という料金メリットも生み出しました。これにより、ネットワークにつなぎっ放しにできることで、提供できるサービスの種類が格段に増えたのです。例えば、GPSを使った道案内などは目的地に到着するまで通信する必要がありますが、定額制ならば料金の心配をすることなく、サービスを利用できるのです。

第三世代携帯電話のユーザーはすでにKDDI、ボーダフォン、NTTドコモの3社で4000万人を突破しています。現在、日本の携帯電話市場は9000万契約といわれていますが、数年内にはすべてが第三世代携帯電話に切り替わるといわれています。とくに携帯電話市場にはすでに新規参入も予定されており、市場競争の激化がさらなる市場規模の拡大、サービスの多様化を呼ぶとみて間違いないと思うのです。

2006年4月1日から携帯電話向けの地上デジタルテレビ放送である「ワンセグ」もスタートしました。これまでのアナログ放送と違い、移動しながらでも安定した映像や音声を楽しむことができ、さらに番組に連携したデータ通信サービスなども受信できるようになります。通販番組の場合、画面上部のテレビ映像で商品の特徴や使い勝手を紹介しつつ、画面下部のデータ放送部分で、購入手続きから決済、送付先住所の登録までが行えるようになります。簡単に、便利にテレビショッピングが楽しめるというわけです。また、ワンセグで紹介されたグルメ情報では、GPS機能と連携し、そのレストランまでの道順を案内してくれる、さらにワンセグで放送された音楽の曲名や歌手名を素早く検索し、すぐにその音楽をダウンロードして購入できるようになります。携帯電話にテレビが載ることで新しいビジネスチャンスが数多く生まれることは間違いないでしょう。

2006年08月28日

ホームネットワークの進展

家電のデジタル化に伴い、それを家庭内でつなぐホームネットワークも一昔前と比べてその姿を大きく変えてきています。

1990年代後半のホームネットワークとはISDN回線などのデジタルコンセントを新築時に引いておく宅内先行配線の考え方が主流でした。しかし、XDSLや光ファイバーなど大容量のデータが瞬時に送受信できるインフラが整いつつあるなか、ホームネットワークは単なる配線ではなく、その先にあるビジネスまで領域を広げはじめたのです。

当然ながら、積極的なアプローチを試みているのが家電メーカーです。自社製品を家庭内でネットワーク化し、そこに独自のサービスを提供するかたちを描いています。住宅にネットワークの制御盤を取り付け、そこにさまざまなデジタル家電を取り付けていくというかたちです。

また、小型の薄型テレビのような液晶画面を通して、デジタル家電を管理する試みもあります。そこではインターネット冷蔵庫やインターネット電子レンジ、インターネット洗濯機ともつながり、レシピや洗濯方法に関する情報が家電から取れるといった生活像を描いています。

モバイル・ホームコミュニケーションという提案もあります。携帯電話で自宅の各設備を操作するのです。基本的な操作はONとOFF。例えば、クーラーやガス給湯器を帰宅前につけることができるほか、反対にカギの閉め忘れやテレビ・照明などの消し忘れも携帯電話から操作できます。

住宅産業の視点からみても見逃してはならない大きなポイントは、ホームネットワークの導入は設備や住宅そのものの管理がしやすい環境を生み出す点です。そこからは、一家庭や一個人のニーズを把握でき、他のビジネスに派生することが十分に考えられるのです。住宅の情報化はストックビジネスの土台をもつくると言ってもいいのです。ホームネットワークは、新たなビジネスの派生や発展につながる布石になる可能性を秘めています。

2006年08月25日

頭脳を持つデジタル家電

ユビキタス社会の住生活を考える上で欠かせないのが家電のデジタル化です。テレビをはじめとするあらゆる製品がデジタルの機能を持ち始めています。このようななかデジタル家電を通した「ライフソリューションサービス」といった概念も提唱され始めました。

家電メーカーなどでは冷蔵庫や洗濯機などのいわゆる白物家電や電子レンジ、ポットなどでもデジタル化を進め、インターネットなどで随時やりとりができる製品づくりも進められています。さらに住設メーカーでもトイレに検査機能を持たせ、体重測定や尿検査ができるなど、医療に役立てる試みもされています。デジタル家電は、家庭内に着実に浸透しはじめているのです。しかし、現実にはすべての家電がデジタル製品に置き換えられ、それが家庭内でネットワークとしてつながっている状況にはなっていません。それぞれが、家電製品等を買い換えるときにデジタル化された新製品を購入している段階に過ぎないのです。

こうしたなかで提唱されつつあるのが「ライフソリューションサービス」という考え方です。これは、情報家電をネットワークに接続して、それを活用した新たな消費者向けのサービスを提供しようというビジネスモデルの構築です。経済産業省は、情報家電の発展段階として、「デジタル化→ネットワーク化→プラットフォーム化」の3段階をあげています。

デジタル家電の普及によって双方向での通信が可能になるなら、顧客一人ひとり、ワン・ツー・ワンでの状況・ニーズの把握ができます。そのなかで企業はさまざまなソリューションを消費者に提供でき、それをビジネスにつなげていくことができるというわけです。また、こうした状況は消費者の住生活を大きく変えるとともに、住宅側にもさまざまな対応が求められてくるようになります。例えば、薄型テレビの登場で住宅に問われたのが、リビングのあり方です。情報家電をどうネットワーク化し、相互でやりとりを可能とするプラットフォームを構築し、ソリューションを提供していくか、これまでとは一味も二味も違った、そして実現性のある情報化住宅への注目が集まることになると思うのです。住宅企業も新商品を開発するなかで、こうした情報家電とのかかわりあいが無視できないものとなってくるのです。情報家電と住生活とのつながりがさらに密接になろうとしているのです。

2006年08月23日

「いつでも、どこでも」

ユビキタスとはラテン語で「いつでも、どこでも」という意味です。コンピュータが小型化し、インターネットを始めとするネットワーク社会がここ数年で飛躍的に進化しました。携帯電話に代表されるように、モバイルのインターフェースが発展することで、人と人、人と物、物と物との情報のやりとりが「いつでも、どこでも」、さらにはその個人の「好きなときに」できるような社会を目指そうというのです。

私たちは、これまでも何度となくホームオートメーションやインテリジェントハウスなど住宅のIT化の夢を追ってきました。しかし、残念ながら、カネやタイコは鳴るのですが、消費者は踊らず、商品化への道は遠かったのが実情です。まだまだ“夢”であったということです。ところが、ここに大きなインパクトをもたらしたのがインターネットです。家族の一人ひとりが携帯電話を持ち、家庭でのインターネットのブロードバンド常時接続が当たり前といった時代になり、住宅IT化の波は極めて実現性の高いものになってきたのです。なにしろ、このインターネットは大きな投資をすることなく、誰でも自由に、しかも特別な技術がなくても使うことができるのが特徴です。このため、住宅メーカーなどが、より消費者に身近にいる人の発想でネットワークを使ったサービスを始めることができるようになるのです。これまでのような技術者のアイデア倒れではない、現実的なビジネスの可能性が広がるということです。

以前ならば、大変な仕掛けが必要でしたが、最近では誰でもが容易に、住宅内に設置されたカメラの画像を携帯電話で見ることができるようになっています。カメラと人体感知センサーとを組み合わせておけば、住宅内に誰かが侵入した際には、その様子を住人の携帯電話に伝えることもできます。もちろん、外部に設置した防犯フラッシュライトの組み合わせも可能です。また、留守番しているペットの様子を携帯電話で見ることができるといったサービスもすでに始まっています。ホームオートメーションなど住宅そのものの自動化は、必要なコストも高く、住まい手に受け入れられ難かったのですが、ネットワークを利用した生活支援サービスは費用の面でも多くの人に受け入れられつつあるということです。

「もっとも成熟した社会は、その姿を悟らせない。日常生活という織物の中に、自身を織り込ませており、その存在が認識されないのだ」。これは1991年に初めてユビキタス・コンピューティングという言葉を使ったゼロックス社のコンピュータサイエンス研究部長だったマーク・ワイザー氏の論文の冒頭です。

コンピュータがオフィスや家庭の様々な道具や場所に埋め込まれ、人間がコンピュータを意識せずに自然にその機能を使用することができるサービス環境が実現するというわけです。まさに「いつでも、どこでも」ということです。別にコンピュータがどうのこうの、と難しい理屈をこねずに、コンピュータの存在を前提に、さまざまな生活シーンを描いていいのだと思います。ユビキタス住宅の夢は限りなく広がるのです。

2006年08月21日

10分の1ショックに学ぶ

米国の連邦住宅局(FHA)による「建物評価」の具体的な採点事例からも、基準の考え方が分かってきます。

「構造の安全度」については骨組み材料の強度とその組立方法の問題点が指摘され、「デザイン」は特別なスタイルでなく、長い将来にわたって一般市場に受け入れられるかどうかが重視されました。「自然光と換気」では、建物の向き・配置が通風に最適であること、開口面積が適切であることが求められています。

また、「被保険建物額の評価とは融資売買の危険度を測るものであるため、デザインは純粋なデザインの評価というよりも、常に市場価値の観点から、あるいは長い間にわたって魅力的であり続けるかどうかといった観点から評価される」とのコメントもあります。ここからも、資産価値、市場価値を重視していることが十分に分かります。

湿気対策の面から基礎が高いことが重視され、施工精度が高まり、雨仕舞いも良くなるので正方形の標準的な建物の方が高く評価されましたし、屋根勾配も雨はけを良くするという点から急傾斜が良いとされました。間取りも標準的なものが重視されましたが、これも売却するときに買い手がすぐに見つかるからです。妙に個性を強調してデザインに凝ったりすると、好き嫌いが出すぎて売れにくい。シンプル・イズ・ベストが大事ということにほかならないのです。

これまで、3回にわたって米国大恐慌時のFHAによる住宅融資の基準を紹介してきましたが、基本はいずれも耐用年数を長く保つための条件であり、住宅は長持ちしなければいけない、という思想で貫かれているということです。

新設住宅着工数がピーク時の10分の1に落ち込み、経済復興のためにも住宅需要の喚起をという大恐慌の後なのに、これだけの厳しく、思い切った建物への融資基準を打ち出したことに改めて感心するとともに、良い資産を後世につなぐという、明確な思想に感服するほかないのです。

大恐慌というと、この時期を背景にした日本でも大人気のミュージカル「アニー」がすぐに思い浮かびますが、そこを貫くのも孤児院にいながらも未来に向けて夢を失わない明るく賢いアニーや登場人物の温かく思いやりに溢れる姿です。いろいろ言われる米国ですが、先を見越した住宅づくりを含めて米国の良さの一面がそこにあるように思います。そういえば、クリントン前大統領は「国民の財産を守る」と言って大統領選を勝ち、ヒラリー夫人とともに購入した家は80年前のこの大恐慌後に建てられたものです。今も当時の融資基準で建てられた住宅が良質なストックとして評価されていることの何よりの証拠です。

日本も80年遅れはしましたが、100年住宅を押し出し、同じ夢を描きたいものです。

2006年08月18日

融資の審査基準

米国経済大恐慌後に連邦住宅局が設立され、住宅融資の緩和を中心にした住宅市場復興策が打ち出されましたが、ここで注目されたのが融資住宅に対する審査基準でした。
基準をつくったのが経済学者というところが面白いのですが、具体的には1)建物評価2)近隣評価3)近隣に対する建物の関係評価4)債務者の評価5)融資方法の評価――の5つの評価でした。

それぞれの評価軸は100%を上限とし、いくつかの採点項目に分かれ、5段階で評価されます。例えば、「建物評価」は適合性(配点30%)、機能性(同35%)、耐久性(同35%)の3項目に区分され、それぞれがさらに細かく分かれます。適合性では配置計画、建物のデザイン、気候への適合度に分かれ、このうち配置計画の配点がもっとも大きく15%で、もっとも高い評価として5段階目の15%が与えられます。

詳しくは下表を参考にしてみてほしいのですが、機能性では快適性が15%、耐久性では構造の安全度が20%と配点ウエートが高いということで、その重要度をうかがい知ることができます。ちなみに、1項目でも「却下」の評価を受ければ融資保証は得られませんでした。5段階の評価に際してはさらに細かい基準がありましたが、「建物の評価」は市場価値が高く、将来にわたって不動産としての転売価値が高い住宅が好まれたことは間違いないようです。

審査基準をつくったW.H.ボブコック氏が語っている言葉からも、審査基準の思想が伝わってきます。例えば、「建物のデザイン」の解釈について「もし住宅の姿が内部のプランや使われている材料が単純で、直接的な表現であれば高い評価が与えられるだろう。一方、低い評価はあらゆる側面から十分に検討されていない姿を持った住宅に与えられ、誤った屋根の葺き方や梁の使い方、難しい材料の扱い方は評価を悪くするだろう」という具合です。

「近隣評価」「近隣に対する建物の関係評価」については、近隣の性格を一定に保つために年齢、人種、収入面においてできるだけ同質の人たちによってコミュニティが形成されることを求めました。そのため、将来、黒人やユダヤ人の住みそうな場所への融資保証は拒まれ、彼らへの転売は拒否されました。いずれも資産価値の低下につながり、長い期間にわたっての保証面で問題が生じるからです。まあ、このあたりが後に、同基準の評価について物議をかもすことになるのですが、“資産価値”に踏み込んだとき、当時はこういう姿になってしまったのでしょう。

2006年08月16日

米国、大恐慌後の住宅復興策

「時代は100年住宅」といいましたが、行政も間違いなくその方向に進んでいます。「住宅の品質確保促進法」が施行され、住宅の性能表示制度が2000年からスタートしたのはその代表的な例です。そこでは100年ほどの耐久性を持つ住宅づくりが明確に意識されています。

しかし、この品確法も、米国と比べたとき、80年遅れということを認めざるを得ないのです。前にも少し触れましたが、住宅の性能に対する評価基準を米国は80年ほど前に作成し、実施していたのです。1929年の株式市場の大暴落、いわゆる経済大恐慌にまでさかのぼります。1925年には93万7,000戸にまで達し、順調な成長を続けていた新設住宅市場は大恐慌後に極端に落ち込み、1933年には実にピーク時の10分の1という9万3,000戸にまで落ち込み、しかもその大部分の購買者は富裕層に限られたのです。

そこで政府は中産階級の住宅需要を喚起するためニューディール政策の一環として連邦住宅局(FHA)を設立し、大規模な住宅金融の助成を行ったのです。具体的には、資金力に乏しい者が民間金融機関からの融資を受ける際に、政府が債務の保証を行うことによって低金利で長期の融資を可能にしたのです。この融資保証によって米国の住宅市場は1940年には60万3,000戸にまで回復しました。

ただ、ここで言いたいのは、保証対象となる建物の審査基準についてです。FHAは、大不況後にも関わらず、建物の性能、デザイン、近隣環境にいたるまで厳しい基準を設けて、住環境全般を向上しようとしたのです。デザインの評価基準など、将来、見込まれる転売のための市場価値を明確に念頭においていました。もっとも、近隣評価などは黒人やユダヤ人を差別する排他的なものとも言われ、現代ではこの基準に対する評価は分かれるようですが、住環境の評価を政府が融資の債務保証と結び付けて積極的に行ったという点では意義深いと思うのです。

ちなみに、審査基準は、シカゴの不動産コンサルティング業務を営む一家に生まれた経済学者であるW.H.ボブコック氏によってつくられたそうで、建築系の技術者でなく、経済学者によって、というのがなかなか興味あるところです。転売価値の高い住宅が評価された、と聞くと、なるほどと思わずにはいられません。次回は、この審査基準についてもう少し詳しく見てみたいと思います。

2006年08月14日

時代は100年住宅

100年住宅の名が示すように、時代は、急速に耐用年数の長い住宅への要請を強めています。

50~100年間にわたり建て替えの必要がないということは省資源につながり、地球環境に貢献できます。それになにより、現状のように30年近くで建て替えるとなったら、30歳で建てても60歳で建て替えることになり、資金調達は厳しい。老後のための退職金をつぎ込むのはやはり決断がいります。高齢社会が急速に進展するなか、建て替え不要の100年住宅こそ真の高齢化対応住宅と言っていいと思うのです。

最近は定期借地権住宅が新・持ち家として脚光を浴びています。土地所有にこだわらない生活がこれから定着するのだと思います。ここでも大切なのは50年間という定借期間をフルに活用できる住宅です。定借期間が残り20年、10年なのに建て替えなければならないとしたら、こんな不合理なことはありません。その面でも100年住宅が必要なのです。さらに100年住宅は、住宅の資産価値を高めることができ、中古住宅市場においても十分な評価が得られ、米国のように中古住宅市場の拡大と活性化が期待できるのです。

住宅は価値が償却されていくものではなく、財産としての価値を自分で維持、高めていくという考え方がこれからは浸透してくるでしょう。そこでも100年住宅が威力を発揮することになります。

2006年08月11日

スクラップ・アンド・ビルド

良い木材を正しく使えば、木の家は鉄やコンクリートより長持ちすると述べてきました。戦後からこれまで住まいづくりをスクラップ・アンド・ビルドで安易に建てては壊すというやり方をしてきた日本人にとって、真剣に長持ちする住まいづくりを考えなければならなくなってきたと思うのです。そのためにも“木”をいかに使うかは、改めて古くて新しいテーマだと感じるのです。

以前にも触れましたが、イギリス75年、アメリカ44年、日本26年―これは各国の住宅の平均寿命です。日本の住宅の寿命がいかに短いか歴然です。耐用年数が短いということは経済的な損失が極めて大きいということに結びつきます。国交省はライフサイクルコストの面から耐用年数35年と同70年の比較を行っています。それによると、耐用年数35年の家を1回建て替えて70年間存続させることより、イニシャルコストを20%増加させ70年間耐用可能な住宅を建てた方が、70年間のライフサイクルコストは23%削減されるということです。

私たちの平均寿命が延びた今、耐用年数の短い家を建ててしまったら、高齢になってから、住宅を建て替えなければならないかもしれません。スクラップ・アンド・ビルドに終止符を打つ時期に来ているのです。

なにしろ資源の無駄遣いです。年間150万戸の住宅建設に使う資材は5000万トン。10トントラックに換算すると地球を1周します。耐用年数の長い住宅を建てることで、資源の無駄遣いに歯止めをかけ、地球環境を守り、産業廃棄物の処理の負担を軽減することになるのです。国交省では昭和60年以来、「設計・生産・管理の全過程にわたって耐用年数の長い住宅を供給するシステム」であるセンチュリー・ハウジング・システム(CHS)を国策として推進してきています。文字通り100年間長持ちする住宅建設を推進しようというわけです。

100年間長持ちさせるための技術的な仕様、生活スタイルの変化への設計、メンテナンスに対する維持管理システムの厳しい認定基準も作られています。今の日本の住宅の建て替えまでの平均年数は26年。これを100年間、さらには10倍長持ちする260年住宅を目指したいものです。

2006年08月09日

フィンランドの木

木の話に関連して、フィンランドの木について触れてみます。フィンランドから木材を輸入していた経緯もあり、フィンランドにもよく行き、フィンランドの木をみてきました。

フィンランドの丸太の断面を見ると真ん中に芯が通っています。真ん中に芯があるということは曲がらないということを物語っています。そして、寒い気候なので目がつまっています。非常に優良な木材で、これは日本の木材にはみられません。日本の木材をみると、太陽があたる南側に成長し木目がのびている。北側は成長しないので木目がつまっている。芯が真ん中ではなく、北側に寄っているので、曲がりやすいのです。

なぜだかわかりますか?日本は南側を太陽が通ります。フィンランドの白夜を考えればわかるとおり、ぐるぐるぐるぐる太陽が廻っています。その違いが木の断面に表れているのです。

加えて、フィンランドは木材王国であり、林産が最大の産業であり、優秀な人材が林業に取り組み、誇りをもっています。優秀な木材は木を愛し、林産に従事することを誇りにする国民の成果なのです。100年の計画伐採を行い、自然がなくならないよう、むしろ森林を増やす計画をしています。

優良な木材を使っていくことで、住宅の耐用年数を長くするのも、森林保護に対する一つの方策です。

2006年08月07日

木の長ぁ~い話

木材がすごいのは、強度が年月とともに衰えるのではなく、むしろ高まっていくという点です。

伐採後、乾燥させた木は徐々に強度を増していきます。驚くことに、強さのピークは伐採後約200年といいます。木は少しずつ強度を増していき、約200年たつとようやく強さは低下しはじめ、1千年以上かけてゆっくりと伐採直後いわゆる新材と同程度の強さに戻っていくといわれているのです。法隆寺に使われているヒノキが創建当時とほとんど変わらず健在なのは、まさにそういう木の特質によるものなのです。

十分に乾燥した木材を使えば、何百年先まで住み続けることにまったく問題はないのです。法隆寺の太くて長い大きな柱は、樹齢2千年以上の巨木を使っているといいますから、柱になってからの歳月を加えると壮大な時間の流れに気が遠くなるほどです。

また、木の魅力は同じものが一本もないという点です。木にはそれぞれ歴史があり、一本として同じ木は存在しません。年輪の数が違うし、年輪のつき方も違います。木目も異なるし、手触り、肌触りもそれぞれの味わいを持ちます。ですから、家具や住まいをつくるとき、そうしたさまざまな性質を持つ木材の中から、自分に合った相性のいいものを選ぶこともできるのです。それはたとえ工場生産品であっても、この世に一つしかない唯一無二のものなのです。それだけに、自分のものとして愛着が湧いてくるのは当然のことなのです。

2006年08月04日

乾燥材は千年の寿命

一般的に、木は「腐る・くるう・燃えやすい」という弱点をもっていると思われがちです。これは知識不足で、間違っています。

木はしっかり乾燥させれば腐らないのです。木は細胞と導管に水がある時、腐朽菌という菌が入り込むことによって腐る。この菌は、含水率が常時35~50%の条件下で繁殖します。庭に生木の枝をほっておくと、一週間もするとカビがはえてきます。森で倒れた生木はやがてキノコが生え、朽ち果て、他の植物の肥料となります。

下駄が腐ったという話は聞きません。雨の中を歩いていても腐りません。水分が完全に取り出されているので、菌が生きられないのです。水分が18%以下では繁殖することは皆無です。

かつて木材は、いまとは比べものにならないほど流通に時間を要したので、山から切り出し建築現場へ運ばれるその間、一年間に充分に自然乾燥していました。ところが、流通が合理化された今、木材が十分乾燥しないまま使われることが問題なのです。

2006年08月02日

木こそ超耐久材

夏は高温多湿、冬は乾燥という日本の気候風土に最も適した住宅建材は木材です。木には湿気を吸収、放出する性質があります。建材となったのちも木は生きていて、夏には湿度を吸収し爽快な環境をつくり、冬には逆に湿気を吐き出して乾燥を防ぐ。木材は、部屋の湿度をコントロールしてくれる天然のエアコンというわけです。

吸湿性が高いということは、建物にダメージを与えるカビや結露を防ぐ役割を果たすので、建物を長持ちさせます。いい例が正倉院の宝物殿です。千年以上もの間、納められた宝物を損傷なく保存できたのは、木材の湿度調整作用のたまものといわれています。木はきわめて優れた建材です。

木材は燃えると言われますが耐久性についていえば、ある程度の厚みがあれば、表面が焦げても中まではそうたやすく燃えません。耐久性は法隆寺で実証されており1400年はもち、今後更に伸びることになります。コンクリートは300年ですし、鉄は100年です。木材は何より優れた耐久材なのです。

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