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種まいて家が建つ

美しい花の種は、太陽の光を浴びて、水分があれば育ち花が咲きます。当たり前ですが、そこには電気もガスも石油も使っていなければ、特別な機械が必要なわけでもありません。

ところが人工的につくるとなると、中東から石油を持ってきて、コンビナートでプラスチックを造って1次加工、2次加工、3次加工とやって、造花にします。しかし、できあがったものは、美しさでは自然のものにかないません。そのうえ高い。自然界ではほとんどコストはかかりません。

そんなことを考えてみると、今の産業のモノをつくるという仕組みは、あまり優れたものと胸を張れないという思いに至ります。工場へ行くと、モーターが回ったり、プレスがドタンバタンして大騒ぎをしています。花が咲くことに比べたら、何とばかげたことをやっているのかとつい思ってしまいます。

花が咲くように、種をまいたら家が建つ、自動車ができるという方法が考えられないでしょうか。プログラムだけを人間が作っておいて、「家の種」「自動車の種」という人工の種を作って、それを自然に育てるのです。

農業というのはまさにそういうことをやっているのです。バイオテクノロジーや生命工学といった学問はまったく新しい発想を我々に与えてくれる可能性があります。バイオテクノロジーの発想によって、ものの作り方がまったく変わってくるかもしれないのです。

今までの産業界は古いことを一生懸命、効率よくやってきたのですが、効率追求だけのやり方では、すでに行き詰ってきています。これからはまったく違ったアプローチが必要になってくるような気がします。

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