ハエテクの教訓
自然を改めて観察してみると、自然界のパワーに比べ、今の科学がいかにつたないものであるかを痛感させられます。
例えばハエをガラスの箱の中に入れて、止まることのできないように、常に箱を振動させておく。すると、長い間飛び回っていたハエも、約8時間で燃料切れになるのか、パタリと落ちてしまいます。
そこで、振動を止めてガラス箱の中に砂糖水を入れると、ハエはそれをなめ、再び活力を得て、箱の中を元気に飛びまわり始めます。そしてまた8時間休みなく飛び回り続けるのです。ハエの、あの小さな体の中に8時間も飛び続けられる燃料とエンジンが積み込まれているのだと考えると驚きです。東京から大島まで飛ぼうとすればヘリコプターのチャージ代で30万円はかかります。たた30分飛ぶだけでそんなにお金がかかるのに、ハエは砂糖水一滴で8時間、何という違いでしょう。
人間は優れた技術を自前でつくり上げたと鼻を高くしていますが、自然界の精巧なメカニズムに比べたら何ほどのものではないのです。下手な語呂合わせになるが、ハイテクよりもハエテクのほうが上です。
人間はこれから100年かかっても、ハエのような飛行機をつくり出すことはできないでしょう。私が言いたいのは、自然界全体からしたら人間の知恵なんて大したことはない、それがわかるだけで自然に対して謙虚な気持ちになれるし、どんなに人間の技術が進歩しても、自然から学ぶべきことは永遠になくならないということなのでしょう。