現代文明の負の遺産
毎年、日本の本州の面積の半分の熱帯雨林が消えていく―ということからも推測できるように、私たちは日常のさまざまな経済活動、生活行為が地球の状況をどんどん変え、地球環境に深刻なダメージを与えている、との自覚をはっきりと持つ必要があると思うのです。現代文明は、その維持と発展のために巨大なエネルギーと物質を消費する。その結果、地球環境は破壊され続け、それがさまざまな異常現象を引き起こすようになっています。
例えば、オゾン層の破壊があります。有害な紫外線を吸収し、地上の生命を保護するオゾン層がフロンガスによって破壊され、皮膚がんや白内障の発生率が増加したり、免疫機能が低下するなど人間の体に深刻な影響をおよぼすと警告されています。現代文明の恐ろしい一面が浮き彫りにされた一例です。
また、地球の温暖化も文明がもたらした異常現象です。なんでも100年前に比べて地球の平均気温は0.5℃上昇していると言います。石油など、化石燃料を大量に燃やしてきたため、大気中の二酸化炭素の濃度が異常に高くなったことが原因と言われています。二酸化炭素は熱を吸収して放出しない“温室効果”があるため、その二酸化炭素に覆われた地球はどんどん温められていくというわけです。これによって、生態系に大きな影響があるだけでなく、北極や南極の氷河が溶けて海水面が上昇し、海抜の低い地域は海の底に沈んでしまうことも考えられるといいます。
さらに、火力発電所や工場、自動車の排気ガスなどが引き起こす酸性雨が、湖沼や河川を酸性化させ魚の棲めない状態にしてしまったり、森林の樹木を枯死させたりといった被害も、ヨーロッパや北米では深刻な問題となり、日本でも酸性雨被害が具体的に指摘されるようになってきました。
これまで地球の営みの中で行われてきた人間の活動が破壊し、地球のあり方まで変えているのが実情です。だからこそ私たちは今、環境を保護、回復するためにできることを真剣に考え、実行しなければならないのです。