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循環型資源利用

自然環境の保護・回復を考えるうえで、やはり日本人としての生活の原点を振り返ってみることも大切だと思うのです。日本人ほど自然をうまく使って生きてきた国民は少ないと思うからです。

例えば、日本の住宅の部屋は狭いとよく言われますが、日本の部屋というのは庭も含めて部屋と言っています。裏の山も、借景も全部、家の中といった感覚です。家の内と外が一体になっての考え方を大事にしてきた。いまで言うアウト・ドア・リビングですが、これはまさに自然との共生です。植栽についてもそうです。落葉樹を植えることで、冬には葉が落ち、家の中に日が当たるようになる。それが夏になれば、こんどは葉が繁り、日陰をつくる。まさに自然のクーラーになるわけです。

こんなことはほんの一例であり、自然と共生する日本人の生活術を数え上げていったらキリがない。ところが、戦後の経済の成長と拡大を最優先する中で、そうした生活術というか、生活感覚が打ち消され、忘れられてしまった、というのがこれまでの日本の現実だと思うのです。こうした効率的な価値観と感覚が浸透してくると、何事につけても安直で手短かな方法を講じることになります。

木材にしても、日本の資源で家をつくればよかったものを、コスト的に安いこともあって東南アジアをはじめとする外国に木材を切りに行ってしまった。その結果が、アジアの熱帯林を荒廃させた張本人として世界から批判を浴びることになってしまった。それどころか、日本国内の林業も衰退させてしまっているのです。

石油にしてもそうです。何もこれは日本だけに限らないのですが、先進国は中東に油を求めた。産油国が輸出しないと言えば、これは武力抗争になった。日本を含めた先進国が途上国の天然資源を収奪的に利用し、それが結果として地球環境問題を引き起こしてしまったということの罪は本当に大きいのです。

日本人はかつての自然と共生する生活術を取り戻すとともに、資源については資源利用の循環的システムをいかにつくるかが大切になると思います。さらに言うなら、省資源の循環型社会をつくることが重要になるということです。

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