MISAWA international

HABITAは、MISAWA internationalの大断面木構造住宅の新ブランドです。新しい200年住宅の時代を作ります。



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2006年12月27日

今日の希望は明日の現実

住まいづくりはやはり資産価値を上げるという視点で考えていいのだと思います。1年間にわたった当ブログも、根っこは住宅の価値をいかに上げるか、でした。改めて資産価値を上げる住まいづくりについてまとめてみます。

1.5つの住環境が大切。自然、交通、教育・文化、医療、ショッピングの5つの環境が、
  将来的に良くなるだろう見通しの地域を選ぶこと。

2.建物は長い耐久性を持つ100~200年住宅とすること。

3.将来の住み替えに対応し、高く売るために、どのようなライフステージにも
  対応できる企画型住宅を選ぶこと。

4.住宅の品質確保促進法による性能表示制度で上位に性能評価された
  設計・施工の住宅であること。

5.メンテナンス費用を5年間ごとにかけて、常に家を新しい状態に保つこと。

6.庭木を育てる植栽計画がしっかりと作成されていること。

7.美しい街並みをつくるための住民協定、建築協定があること。

年の瀬です。いろいろなことがありました。新しい年はどのような年になるのでしょうか。大晦日の一夜が明ければ昨日は去年であり、今日は今年、たちまちのうちに年が去り、心を新たにさせる年が来るというのは素晴らしい人間の知恵というしかありません。新年も良いこと、悪いこと、たくさん出てくるでしょう。しかし、ライト兄弟が初飛行に成功したのは1903年のこと。まだ100年ちょっとしか経っていないのです。現在の航空産業の発展をみるとき、人類の英知、技術の進歩のすさまじさを知ることができます。地球の未来、そんなに悲観することはないでしょう。「きのうの夢は今日の希望、今日の希望は明日の現実」という言葉があります。明日を信じて新たな年を迎えたいものです。

今年1年、ありがとうございました。お身体、ご自愛のうえ、よいお年をお迎えください。

2006年12月25日

80年遅れを取り戻す

日本もアメリカに比べ80年遅れはしましたが、住生活基本法の施行など、住宅の価値を正当に評価し、良質な住宅ストックを目指す流れが出てきたことは間違いないでしょう。

2000年にスタートした住宅の性能評価・表示制度は100年ほどの耐久性を持つ住宅づくりが目指されており、その普及テンポを速めています。性能のいかんが、将来、売るときの価格に間違いなく反映されていくことでしょう。品確法の中に位置づけられた中古住宅の性能評価システムも、やがては根づいていくのだと思います。良い住宅が適正に評価されるという、きわめて当たり前の時代がやってくるということです。その中で、200年住宅への挑戦も行われるとしたら、こんな素晴らしいことはありません。

これからは、適切な維持・管理をすることによって、将来売るとき、土地の値段+家の値段+メンテナンス代、それにローンの金利分も乗せて売ることができるような流れをつくれればと思います。そうなると、それまでの住居費はゼロという計算さえ成り立つのです。住み替えのときに購入価格より高く売ってこそ資産形成ができます。せめて住んでいた期間に投じたメンテナンス費や住宅ローンは取り戻してもいいと思うのです。

家のグレードを高め、家の価値を上げる努力をし、住居費をゼロにする住まいづくりを目指したいものです。

2006年12月22日

再び米国大恐慌の教え

ノンリコースローンの導入を、という話をしました。万が一のためのローン利用者への救済策とも言えますが、このローンが普及すると、住宅の資産価値がことのほか問われ、良質な住宅ストックが増えていくのは間違いありません。金融機関が融資に当たって担保物件を厳しく審査することになるからです。

前にもお話しましたが、そのよいお手本がアメリカにあります。1929年の経済大恐慌のときに打ち出されたニューディール政策の一環としての連邦住宅局の大規模な住宅金融の助成です。具体的には民間金融機関からの融資を受ける際に政府が債務保証を行うことによって低金利での長期融資を可能にしたのですが、ここで注目されるのが保証対象となる住宅について厳しい審査基準を設けたということです。

大不況によって当時の住宅市場はピーク時の10分の1、年間9万3000戸にまで落ち込んでいました。こうした住宅需要を喚起するための連邦住宅局の措置だったのですが、そうした状況にもかかわらず、住宅の品質性能、つまり住宅の価値を重視したのです。ある意味、大不況時とあって個人信用はアテにならない、土地もダメだが、しっかり形としてつかまえることのできる住宅に資産価値を認めたということでもあったのでしょう。建物の性能、デザイン、近隣環境にいたるまで厳しい基準を設け、住環境全般を向上しようとしたのです。デザインの評価基準など凝ったものではなく、標準的なものがよいとされました。将来の転売のため売りやすいという市場価値を明確に念頭においていました。米国の住宅市場は、こうした政策により80年近く経った現在でも立派に残り、美しい街並みを形成するとともに、住宅流通市場でも高値で取り引きされているということです。

日本はいま住生活基本法が施行され、ストック社会への移行が明確に打ち出されました。アメリカに比べ80年遅れですが、200年住宅でこの空白を早く埋めたいものです。

2006年12月20日

ノンリコースローン

住宅の資産価値を高めていく上で、大きな役割を果たすのが金融面からの取り組みです。

戦後の住宅建設において住宅金融公庫がその役割を担い、公庫住宅は品質・性能面での水準を引き上げてきました。現在、住宅金融公庫は直接融資をやめ、証券化というスキームを通して長期・固定の住宅ローン「フラット35」を提供していますが、すでに10万戸を突破するほどの人気です。その中でこのフラット35の担い手としてクローズアップされてきているのが住宅ローンを専門に扱う金融機関、モーゲージバンクの存在で、現在19社が設立され、このモーゲージバンクでフラット35のほぼ半分のシェアを占めるほどです。今後も、住宅金融の面から新しい商品が開発されていくでしょう。高齢化時代のもと、再びリバースモーゲージが注目を集めているなど、そのよい例です。このリバースモーゲージの普及を考えていくと、住宅の資産価値という面がこれまで以上に強調されていくことはまちがいありません。

これをさらに進めていくと、アメリカでは普通になっているノンリコース(非遡及型)ローンを日本でも普及させていくことが、大事になってくると思っています。 ノンリコースローンではローン利用者が返済できなくなった場合、担保(住宅)を手放すことによって解決します。そのときのローン残高は住宅を担保に融資した金融機関が負うことになります。そして、金融機関はこの担保物件を売却したり、賃貸するなどしてローン残額分の回収に努める。つまり住宅を手放したローン利用者は残った債務を負わなくて済むわけです。もちろん、こうなれば、金融機関としてはこうした負担を負わなくてすむように、融資前に担保物件を厳しく審査することになります。当然のことながら、欠陥住宅などは減少、資産価値の高い住宅がふえることになります。

建築・住宅界を震撼させた耐震偽装問題など、収まったように見えますが、欠陥マンションの購入者は、今後二重ローンの負担にあえぐことになります。しかし、ノンリコースローンなら、こんなも悲劇も回避できます。金融商品も多様化している中、このノンリコースローンの導入を真剣に考えてみるべきだし、200年住宅など長寿命住宅を真に自信をもって供給していくなら、70年ほどのノンリコースローンがあってもいいのではと思います。

2006年12月18日

長寿命化を実現するビジネスモデル

今年の住宅産業界にとってはやり一番のビッグニュースは「住生活基本法」の制定でしょう。

戦後からずっと続いてきた量的充足を目的とした住宅政策がピリオドを打ち、ストック重視の流れが明確に打ち出されました。「建てては壊す」というスクラップ・アンド・ビルドの考えはもうやめましょう。今度こそストックを活かした生活や市場の整備など、“質”への転換を図っていこうということです。

住宅の長寿命化は、そうしたストック社会を構築する上での柱のテーマであり、自民党が「200年住宅ビジョン」の作成に取り組んでいる背景もここにあります。私自身、これまでも200年住宅は実現できる、それも木質住宅によって十分に可能である、との結論を述べてきましたが、そこには資産価値の高い住まいづくり、美しい街並みの形成という想いもあるからです。

ただ、200年住宅と一口に言っても、そう簡単ではありません。耐久性や構造を中心にしたハード面の技術開発だけでなく、維持管理など長く住み続けるためのソフト面での技術開発も重要になってきます。金融・税制面での支援も必要になるでしょう。そこには、ストックを活用しての新たなビジネスモデルも求められるのだと思います。すでに耐震改修や省エネリフォームなどが新技術とともに動き出しているほか、中古住宅を買い取り、リノベーションして市場に供給するビジネスモデルも登場してきています。これから、もっとさまざまな試みが出てくるでしょう。金融面でもリバースモーゲージやノンリコースローンなど、これから重要な分野です。

住宅の長寿命化が新たなビジネスモデルを生み出すことは間違いありません。楽しみです。

2006年12月13日

自民党の「200年住宅ビジョン」

自民党が取りまとめを進めている「200年住宅ビジョン」の方向をもう少し見てみたいと思います。

同ビジョンの中間取りまとめが今年の8月に行われており、その方向をほぼ見通すことができます。そこでは、「長寿命住宅ガイドライン」を作成し、住宅性能表示制度の充実により劣化対策等級や間取りの可変性、維持管理の容易さなどに関する目安を明示する。また、100年後、200年後を見据えた維持管理、修繕の目安も明示することを提言しています。とくに、戸建て住宅については長寿命木造住宅整備指針の充実や普及、間取りの可変性確保など長期使用に耐えうる汎用性の高い木造住宅の開発のほか、戸建て住宅の履歴管理システムの検討も打ち出しています。さらに、中古住宅市場整備の必要性をうたい、不動産取引価格の情報開示や将来に引き継ぐべき中古住宅モデルの提言のほか瑕疵担保責任の確保なども盛り込んでいます。このほか、超長期住宅を推進するうえで、金融・税制面での対応も不可欠であり、ノンリコースローンを含む新たな住宅金融システムの検討を打ち出しています。税制面については、建設・取得後の初期負担の軽減のため、消費税率の軽減やフラット35の金利優遇など税制での軽減を求めています。まさに、住生活の基本となる広範囲の施策の実現を“200年住宅”を軸に求めているとみて差し支えないのだと思います。

11月1日と3日、6日の3回連載で「200年長持ちする家は出来るか」と題して、このブログで紹介しただけに、自民党のこの「200年住宅ビジョン」は本当に心強いかぎりです。この200年住宅を木材で実現できると考えられます。1300年以上の寿命を持つ法隆寺の例を持ち出すまでもなく、400~500年前の木造建築は古民家にも多くみられます。ちゃんとした乾燥材を使い、ケアをしていくなら200年は十分に持ちます。

2006年12月11日

200年住宅へ挑戦

5年ほど前の拙著「2050年の住宅ビジョン」で、50年後には今より10倍長持ちする260年住宅を目指したいと述べ、いくらなんでもそこまでは―と言われたものです。

しかし今、この200年以上の超耐久性を持つ住宅づくりが決して夢物語ではなくなってきたように思うのです。すでに住宅の品質確保促進法では100年以上の耐久性がはっきりうたわれています。技術者の目標として、“次”を狙うのは当然のことであり、それが200年を、となるのもまた必然というものでしょう。とくに、この6月に住生活基本法が制定され、ストック社会の実現が打ち出されたこともあって、長寿命住宅への挑戦は現実のものになってきたと言えるのです。

その何よりの現われが自民党の住宅土地調査会が具体案づくりを進めている「200年住宅ビジョン」です。同ビジョンは何世代にもわたり超長期に利用できる質の高い住宅をつくり、社会全体の資産として継承していくことをテーマに議論、検討しているもので、今年度中に提言としてまとめる予定です。11月には「超長期住宅システム」「住宅流通システム」「住宅金融システム」の3小委員会を設け、最終の詰めに入っています。政策的に200年住宅という具体のテーマ、目標を掲げて自民党が検討を進めてきたケースというのはこれまでも、そう多くはなかったと思います。政権与党としての腰が入っていると期待していいのだと思うのです。耐用年数が200年にも及ぶ長持ち住宅の建設のために優遇税制や建築費補助制度の創設、さらには金融、保険に加えて、中古住宅流通市場の整備など、多岐にわたる内容が盛り込まれるとみられています。見方によっては、これからのストック社会に向けて資産価値に優れる長寿命住宅の推進こそが、国民生活の基本を担うとの意気込みさえも感じられます。

国土交通省も、この提言には大いに期待を寄せており、この提言を受けて2008年度の税制改正や予算編成に反映させていく構えです。

2006年12月08日

世界モジュール元年

ここ十数年をみてきたとき、モジュールの問題は浮かんでは消え、消えては浮かぶといった状況でした。

諸外国に比べて日本の住宅価格が高いと指摘され、その原因の一つがバラバラのモジュールにあると言われるなかで、経済産業省も含めてモジュールの統合化への取り組みはそれなりに行われてきたのです。ISO基準とも合致するということで新しいモジュール体系として1モジュール100ミリとする方向も打ち出されてはいます。しかし、現実にはこれも強制力を持たず、加えて地域ごとの建築特性や日本にしっかりと根づいている在来軸組みの木造住宅、さらには個々のメーカーがシェア拡大の狙いもあって独自に設定しているモジュールなどが入り乱れ、掛け声はかかっても、なかなか前には進まなかったわけです。

ところが、最近の住宅市場はずいぶん変わってきたと思うのです。住宅市場の規模もかつてのような大幅な伸びは期待できません。フローからストックへの転換をはっきりとうかがえます。住宅メーカーも数量を競うシェア争いの時代ではなくなってきています。その一方で、コスト引き下げへの要求は大きなものがあります。さらにその一方で、住宅分野においても中国を含めて海外市場が魅力あるものに成長してきています。海外市場への進出を図る国際企業への道も拓けてきています。

モジュール統一の世界的な気運がいよいよ本格的に高まってきたように思います。そして行動に移す時期にきていると言ってもいいでしょう。

そうした意味もあって、来年3~4月にモジュールの世界標準についてのシンポジウムを(財)住宅都市工学研究所の主催で開催したいと思っています。それも、国内の研究所・有識者・専門家だけでなく、中国、米国の専門家を交えての日・中・米3カ国の国際シンポジウムとする予定です。国内ではいま権威者である内田祥哉・東大名誉教授、深尾精一・首都大学教授、松村秀一・東京大学教授に相談しており、中国でも北京大学、精華大学、上海同済大学などから権威者が参加してくれることになっています。米国も近々、人選が決まる模様です。来年初めには詳細を決めます。

このシンポジウムを起爆剤に来年を「世界モジュール元年」にしたいと思っています。

2006年12月06日

規格化と自由度

モジュールなど規格の話をすると、必ずでてくるのが、規格化によって建築空間のデザインなど自由度が制約されるという議論です。

プレハブ住宅も登場した初めの頃は、規格住宅としてお仕着せの、決まりきった形、デザインの住宅というイメージでとらえられていました。だが、実際にはプレハブ住宅にしても、自社の部品相互には互換性を持っていて、個別のお客さまごとに、異なる間取りをつくっています。他社の部品を気にしない人にとってはクローズドシステムでありながら、きわめて自由度の高いオープンシステムとも呼ぶことができるのです。ただ、それ以上に、日本の伝統的な住宅は生産者のワクを超えたオープンシステムで、畳や建具は、日本中どこの畳屋、建具屋、経師屋でも、互換性のある物を求めることができます。とくに畳などプレハブ住宅にも共通で、日本住宅のデファクト・スタンダードの要ともなっている部品といっていいのでしょう。ある意味、日本の住宅は、クローズドシステムを内蔵しながら、オープンシステムでシノギを削っているということなのでしょう。

一般的に、世界中どこの国の建築家も、規格化が嫌いです。規格によって個性あるデザインが束縛されると思うからです。ただ、間違いなく言えるのは、規格や約束ごとがなければ、多様化を促す部品の交換も、フレキシブル空間に必要な部品の移動もできず、結果として建築空間の多様化も、フレキシビリティも実現できないということです。

建築界の大御所である内田祥哉先生(東大名誉教授)は著書の中でこう言っています。「コミュニケーションに必要な共通言語も、一つの約束ごとです。しかし、その中でそれぞれの言語に個性ある文学作品が生まれることを見れば、約束ごとで芸術的創造が否定されるとは言えないはずです。文章を表現する文字には、誰にも読めるための約束があります。しかし文字の世界にも、様々な書体が存在しています。さらに、同じ書体の中でも、書家はそれぞれの個性を表現しています。」「建築の場合も、建築家が自分の個性を最大限主張するために、束縛を嫌うのは当然ですが、どんなに厳しい約束や規格があっても、建築家の個性が発揮できないことはないのです。そして、一般の建築利用者は、建築家の個性を多少束縛しても、多様でフレキシブルなほうがよいと考えていると思います。」(「現代建築の造られ方」、市ヶ谷出版社)。

本当にそうだと思います。そして、この考え方は、何も国内にとどまるはずのものではありません。あらゆる分野でグローバル化が進み、国際分業さえ唱えられるなかで、地域社会の生活基盤というきわめて保守的な住宅の分野においても、そろそろ国際的な規格、約束が誕生してもいいと思うのです。

2006年12月04日

国際分業

モジュールなど規格の世界標準について考えるなかで思い出されるのが、宇宙飛行士の向井千秋さんの言葉です。「サミットを宇宙でやったらいい。宇宙からみる地球は本当に美しく、素晴らしい。このかけがえのない地球を汚してはいけない、ということが小さな国の思惑なんか吹き飛ばし、十分に分かるはずです――」と。

本当にそうです。最近の世界情勢の険悪化をみるにつけ、世界は一つであるという地球人としての認識を持つことが、ひときわ大切だと思うのです。“地球人”としての考えを持つとき、国家のあり方も大きく変わってくるでしょう。交通機関、メディアの発達は、国の境をなくし、自由貿易で経済的な垣根も取り払われていく。人も金も物も自由に往き来するようになってきます。そこでは、地球という一つの世界の中で、人的資源、物的資源、気候風土に応じての国別の役割分担ができてきてもいいのではないでしょうか。安くて、良いものがあれば世界中のどこからでも輸入できる時代です。日本で、どんなにがんばってもコストを含めて、太刀打ちできないモノというのが世界にはあります。だとしたら、無理せずに、素直に輸入したほうが、経済的にもメリットが多いはずです。つまり、国際分業です。国それぞれが役割分担を決めればいいのです。日本などはさしずめ、高度な先端科学技術分野を担っていいのだと思います。その国際分業のためにも規格の統一は基本のキです。

地球は一つです。富める国がある一方で、難民があふれ、餓死者が出る国のあることはやはり地球人として容認しがたい。国ごとに役割分担を決め、国際分業を図るなら、それぞれの国に目標ができる。富の配分が適切に行われることにもなります。国際的な格差是正というわけです。

本当に、サミットをいちど宇宙船でやったらいい――。地球がわかるはずです。

2006年12月01日

世界標準は国際企業へ

規格についてはここ数年、JISやJASといった国内規格と、ISOに代表される国際規格との整合化が急速に進展してきています。その理由のいちばんは海外企業の日本市場への進出に当たっての貿易障害の排除ということであり、わが国の規制緩和推進の一環として進められたわけです。例えば、住宅用キッチンの寸法はISOに従うかたちでJIS規格の改正が行われたし、JASについても2×4工法用製材などはJAS認定を受けることなく、日本でそのまま使用できるようになっています。

しかしなんといっても、住宅産業界でもっとも重要な規格の整合化作業は「モジュール」なのです。メーカーや地域によって910mmだったり、1,000mmだったり、さらには日本の伝統的な尺モジュールも生きているなどの乱立ぶりは、国内の部品メーカーはもとより、海外メーカーからも国際規格との整合化を図りながらモジュール体系を統一してほしいという要望は強くあがっていたのです。そうした声に応えるかたちで、経産省はハウスメーカーや部品メーカーなどを交えた調査研究委員会をつくって議論を行い、新しいモジュール体系を打ち出してはいます。考え方の基準として、1モジュールを100mmとするもので、これはISO基準とも合致することになります。

しかし、実際にはこの100mmモジュールも、強制ではないこともあって、そう簡単にゴーサインというわけにはいきません。各地域における建築特性やメーカーの思惑が微妙に入り混じるからです。なにしろ、統一には膨大な設備投資も必要になります。ただ、これまでのように議論に議論を重ねていても前には進みません。100年河清を待つようなものです。すでに、他の産業界では市場の国際化のもと、規格・基準の国際標準化も大きく進展しています。住宅産業界もこの波に乗ることが何よりも大切だと思うのです。住宅価格の諸外国に比べての割高が指摘されている現状ではなおさらです。とくに、見逃してほしくないのは、規格の国際標準化は、わが国市場の海外企業への開放もさることながら、それ以上にわが国が海外市場に進出する際の競争力強化につながるという点です。

内需産業として語られることが多かったわが国の住宅市場ですが、モジュールの世界標準は、わが国住宅産業が中国、米国など海外市場への参入による国際企業への道を切り拓く起爆剤になるはずです。

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