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規格化と自由度

モジュールなど規格の話をすると、必ずでてくるのが、規格化によって建築空間のデザインなど自由度が制約されるという議論です。

プレハブ住宅も登場した初めの頃は、規格住宅としてお仕着せの、決まりきった形、デザインの住宅というイメージでとらえられていました。だが、実際にはプレハブ住宅にしても、自社の部品相互には互換性を持っていて、個別のお客さまごとに、異なる間取りをつくっています。他社の部品を気にしない人にとってはクローズドシステムでありながら、きわめて自由度の高いオープンシステムとも呼ぶことができるのです。ただ、それ以上に、日本の伝統的な住宅は生産者のワクを超えたオープンシステムで、畳や建具は、日本中どこの畳屋、建具屋、経師屋でも、互換性のある物を求めることができます。とくに畳などプレハブ住宅にも共通で、日本住宅のデファクト・スタンダードの要ともなっている部品といっていいのでしょう。ある意味、日本の住宅は、クローズドシステムを内蔵しながら、オープンシステムでシノギを削っているということなのでしょう。

一般的に、世界中どこの国の建築家も、規格化が嫌いです。規格によって個性あるデザインが束縛されると思うからです。ただ、間違いなく言えるのは、規格や約束ごとがなければ、多様化を促す部品の交換も、フレキシブル空間に必要な部品の移動もできず、結果として建築空間の多様化も、フレキシビリティも実現できないということです。

建築界の大御所である内田祥哉先生(東大名誉教授)は著書の中でこう言っています。「コミュニケーションに必要な共通言語も、一つの約束ごとです。しかし、その中でそれぞれの言語に個性ある文学作品が生まれることを見れば、約束ごとで芸術的創造が否定されるとは言えないはずです。文章を表現する文字には、誰にも読めるための約束があります。しかし文字の世界にも、様々な書体が存在しています。さらに、同じ書体の中でも、書家はそれぞれの個性を表現しています。」「建築の場合も、建築家が自分の個性を最大限主張するために、束縛を嫌うのは当然ですが、どんなに厳しい約束や規格があっても、建築家の個性が発揮できないことはないのです。そして、一般の建築利用者は、建築家の個性を多少束縛しても、多様でフレキシブルなほうがよいと考えていると思います。」(「現代建築の造られ方」、市ヶ谷出版社)。

本当にそうだと思います。そして、この考え方は、何も国内にとどまるはずのものではありません。あらゆる分野でグローバル化が進み、国際分業さえ唱えられるなかで、地域社会の生活基盤というきわめて保守的な住宅の分野においても、そろそろ国際的な規格、約束が誕生してもいいと思うのです。

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