世界モジュール元年
ここ十数年をみてきたとき、モジュールの問題は浮かんでは消え、消えては浮かぶといった状況でした。
諸外国に比べて日本の住宅価格が高いと指摘され、その原因の一つがバラバラのモジュールにあると言われるなかで、経済産業省も含めてモジュールの統合化への取り組みはそれなりに行われてきたのです。ISO基準とも合致するということで新しいモジュール体系として1モジュール100ミリとする方向も打ち出されてはいます。しかし、現実にはこれも強制力を持たず、加えて地域ごとの建築特性や日本にしっかりと根づいている在来軸組みの木造住宅、さらには個々のメーカーがシェア拡大の狙いもあって独自に設定しているモジュールなどが入り乱れ、掛け声はかかっても、なかなか前には進まなかったわけです。
ところが、最近の住宅市場はずいぶん変わってきたと思うのです。住宅市場の規模もかつてのような大幅な伸びは期待できません。フローからストックへの転換をはっきりとうかがえます。住宅メーカーも数量を競うシェア争いの時代ではなくなってきています。その一方で、コスト引き下げへの要求は大きなものがあります。さらにその一方で、住宅分野においても中国を含めて海外市場が魅力あるものに成長してきています。海外市場への進出を図る国際企業への道も拓けてきています。
モジュール統一の世界的な気運がいよいよ本格的に高まってきたように思います。そして行動に移す時期にきていると言ってもいいでしょう。
そうした意味もあって、来年3~4月にモジュールの世界標準についてのシンポジウムを(財)住宅都市工学研究所の主催で開催したいと思っています。それも、国内の研究所・有識者・専門家だけでなく、中国、米国の専門家を交えての日・中・米3カ国の国際シンポジウムとする予定です。国内ではいま権威者である内田祥哉・東大名誉教授、深尾精一・首都大学教授、松村秀一・東京大学教授に相談しており、中国でも北京大学、精華大学、上海同済大学などから権威者が参加してくれることになっています。米国も近々、人選が決まる模様です。来年初めには詳細を決めます。
このシンポジウムを起爆剤に来年を「世界モジュール元年」にしたいと思っています。