ノンリコースローン
住宅の資産価値を高めていく上で、大きな役割を果たすのが金融面からの取り組みです。
戦後の住宅建設において住宅金融公庫がその役割を担い、公庫住宅は品質・性能面での水準を引き上げてきました。現在、住宅金融公庫は直接融資をやめ、証券化というスキームを通して長期・固定の住宅ローン「フラット35」を提供していますが、すでに10万戸を突破するほどの人気です。その中でこのフラット35の担い手としてクローズアップされてきているのが住宅ローンを専門に扱う金融機関、モーゲージバンクの存在で、現在19社が設立され、このモーゲージバンクでフラット35のほぼ半分のシェアを占めるほどです。今後も、住宅金融の面から新しい商品が開発されていくでしょう。高齢化時代のもと、再びリバースモーゲージが注目を集めているなど、そのよい例です。このリバースモーゲージの普及を考えていくと、住宅の資産価値という面がこれまで以上に強調されていくことはまちがいありません。
これをさらに進めていくと、アメリカでは普通になっているノンリコース(非遡及型)ローンを日本でも普及させていくことが、大事になってくると思っています。 ノンリコースローンではローン利用者が返済できなくなった場合、担保(住宅)を手放すことによって解決します。そのときのローン残高は住宅を担保に融資した金融機関が負うことになります。そして、金融機関はこの担保物件を売却したり、賃貸するなどしてローン残額分の回収に努める。つまり住宅を手放したローン利用者は残った債務を負わなくて済むわけです。もちろん、こうなれば、金融機関としてはこうした負担を負わなくてすむように、融資前に担保物件を厳しく審査することになります。当然のことながら、欠陥住宅などは減少、資産価値の高い住宅がふえることになります。
建築・住宅界を震撼させた耐震偽装問題など、収まったように見えますが、欠陥マンションの購入者は、今後二重ローンの負担にあえぐことになります。しかし、ノンリコースローンなら、こんなも悲劇も回避できます。金融商品も多様化している中、このノンリコースローンの導入を真剣に考えてみるべきだし、200年住宅など長寿命住宅を真に自信をもって供給していくなら、70年ほどのノンリコースローンがあってもいいのではと思います。