MISAWA international

HABITAは、MISAWA internationalの大断面木構造住宅の新ブランドです。新しい200年住宅の時代を作ります。



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2007年08月31日

HABITAの8つの仕掛け  8.400年に一度の大仕事

日本の住宅建築は400年ごとに革新を遂げてきています。住宅はきわめて保守的で、そう簡単には変わらないと言われていますが、長い目で見ると400年刻みで住宅のつくり方は変わってきています。大きな社会変化に伴って、住まい方なども変わるためです。

西暦元年の頃は竪穴式住居で、これは日本人が初めてつくった住宅です。自分で家をつくりました。これが西暦400年に高床式に移りました。竪穴の湿気の多い不衛生な環境から、乾燥した通風のよい快適な高床式への移行であり、ここで初めて家をつくる職人が現れました。西暦800年になると、寝殿造りが盛んになりました。大陸の影響もあって宗教心が高まり、さまざまな宗派ができ、神社仏閣が数多くつくられるようになったためです。神社仏閣は時代の建築工法の粋をこらしたもので、それが住宅建築のモデルとなり、寝殿造りとなりました。さらに、400年後の西暦1200年には戦国時代に突入しました。実用性を重視し、戦火で焼け落ちない耐火性の強い住宅が求められました。そこで白壁や瓦ができ、武士の家としての武家づくり、別名書院造りが住宅のモデルとなりました。戦国時代が終わり、平和な時代の西暦1600年になると、千利休らの影響でわび、さびを基調とした住まいづくりとなり、数寄屋造りが生まれます。今で言う在来木造軸組み工法です。

そして、400年が経ち、いま2000年に突入しました。やはり、住宅建築は変わる兆しを見せ始めています。終戦後、現在まで日本の建築はプレハブ工法、ツーバイフォー工法、在来工法などが、資材の工業化、職人不足、ライフスタイルの変化、価値観の多様化、住宅価値への認識―等々を背景に激しいシノギ合いを展開しています。一番大きな要因は、地球環境です。これによって国が世界で動こうとしています。見方によっては混乱期とも言えます。この混乱からどの工法が抜け出すか。全国16万にのぼる工務店が地域に根ざしての事業活動を続けています。後継者としての二代目も育ち、その潜在能力はきわめて高いものがあります。今後、いまの混乱期から抜け出て、新たな収束を図るのが工務店であり、それを新しい木構造が担うのではないかと思っています。

HABITAは、お互いがパートナーとして腕を組み、日本が世界に誇る木構造住宅を、一緒につくり上げている集団です。時代とマーケットを的確に捉えるなかで、住宅建築について新たな様式が生まれ、あっという間に時代の流れを決定づける新たな仕組みが登場する気がします。HABITAが挑戦します。400年に一度の大仕事です。皆さんとやりとげましょう。

「このブログはプレジデント社より出版されます。9月末の予定。」

2007年08月30日

HABITAの8つの仕掛け  7.地域の活性化

HABITAは地域経済の振興、地域の活性化の約に立ちたいとの思いかスタートさせました。地域密着や地元の工務店を核に、不動産会社や設計事務所など地元企業が連携しての事業展開をモットーにしていることからも、それは十分におわかりいただけると思います。

先の参院選での民主党の勝利は、小沢党首が地元格差の是正を唱えて徹底して地元行脚をつづけたことが主因とされています。地価が16年ぶりに上昇するなど日本経済の成長ぶりが喧伝されてますが、それは東京など一部の大都市だけのことで、そのぶん地元との格差がどんどん広がっているのが実態でしょう。地域の衰退は目をおおうばかりです。地元経済を活性化し、格差是正をいかに図るかを訴えた小沢民主党に地元が期待をかけたのは当然のことだと思います。そうした地域活性化を担うのが住宅であり、その推進役が地域の工務店です。政治的に200年住宅ビジョンへの期待は与野党ともにきわめて強いものがあるのですが、それも住宅建設によって工務店らが活性化し、住産業が地域経済振興の旗手になる、との思いがあり、強いてはそれが自らの政治基盤の支えになるからなのです。なんといっても、住宅による波及効果には大きいものがあります。住宅1棟が建てば、家具や家電製品、さらには自動車と買い替え需要が起こり、波及効果は住宅建築費の8倍にふくれ上がるといわれるほどです。住宅を起爆剤に地域経済の振興を、というのは正しい選択なのです。それになにより、地元産の木材や関連資材を使用することで、物流費の節減によって価格引下げができるのも魅力です。今までの住宅産業は、住宅価格のうち物流費が3分の1を占めます。資機材を運ぶトラックの走行距離は地球3回り半です。それがby地元でとなれば、節減効果が大きいことは明らかです。

地方の衰退ぶりを示す象徴としてよくシャッター通りを年金通りと最近言います。シャッターを閉めたままの廃業の目立つ商店街のことですが、これだって少々、知恵を絞って、再生への道を探したいと考えています。デパート、スーパー、コンビニの物流がウェブと宅配により大きく変わろうとしており、そのための物流基地とその値段が必要になっています。「マルチハビテーション」「アラウンド30」市場等、いろいろな市場があると思います。個性ある再生の街づくりが実現することも可能です。あきらめずに考え抜くことが必要です。HABITAは応援していきます。

2007年08月29日

HABITAの8つの仕掛け  6.原価公開・正価販売

HABITAは原価公開・正価販売を実行します。わが国の建設業法第20条には原価主義と、その明示がうたわれています。適正な請負価額の設定や注文者の保護といった観点から「工事の種別ごとに材料費、労務費、共通仮説費、現場管理費、機械経費等の内訳を明らかにした見積もりを行うよう努めなければならない」(建設業法第20条第1項)としているのです。

日本住宅総合センターが「住宅価格の日米比較」を行ったことがあります。そこでいくつかの違いが指摘されたのですが、特筆すべきは「積算方式」の違いでした。日本の住宅価格がブラックボックスにおかれていることがはっきりしたのです。例えば「経費」。住宅価格に占める経費の比率は日本が6~12%なのに対し、米国はそれを大きく上回る28~33%。金額ベースでは最大5倍以上の開きです。しかし、これは日本の経費が安いのではなく、「経費や利益の大半を各工事区分に分散させて見積書には明記していないのに対し、米国ではすべてを明記しているため」と分析しています。わが国の住宅価格は材工ともで、「坪当たり○○万円から」と表示されることがほとんどです。これは一つの目安でしかないのです。坪50万円といわれても、そのうち材料費がいくらで、工事費がいくら、必要経費や利益がいくらという細かな内容などはわかりません。「経費や利益の大半を各工事区分に分散させて見積もりに明記していない」という状況では、消費者の不信感はつのるいっぽうです。

住宅価格の原価公開は、日本の住宅企業にとっていわばタブーになってしまったといっていいでしょう。ただ、住生活基本法が施行され、自民党の200年住宅ビジョン発表にみられるように、わが国の住宅産業は歴史的な転換点に立っています。あらゆる面で住宅産業のブレークスルーが求められているということなのです。住宅価格もその例外ではなく、価格明解が求められているのだと思います。HABITAは原価主義の正価販売を断行します。アメリカで5社の調査会社が原価を公表していますが、日本ではHABITAが原価公表の先陣を切ることになります。これは、“住宅維新”と言っていいのだと思います。

原価公表による正価販売は業界他社からの抵抗も予想されます。業界のタブーに挑戦するのですから当然でしょう。しかし、住宅維新によってお客さまの信頼を得るには避けては通れない道であると思っています。ちなみに、耐震強度偽装事件以来、構造体への関心が高まっていますが、この構造体の価格について多くのお客さまは住宅価格全体の30%程度とみているようです。しかし、現状は10%程度が実態です。もっと強度を上げる材料を使ってもいいのです。HABITAは20%にしています。お客さまの考えより安く、それでいて構造強度は一般の現状よりはるかに強いことが理解いただけると思います。HABITAでは、いくつかの仕様を検討していますが、それぞれについて原価を公表します。原価には変動もあるので、年に一回は発表するようにしたいと思います。標準仕様の一例を紹介してみましょう。千葉県東金市に建設したHABITA「出居民家」ですが、材料、工事費、経費などを積み上げて売価は坪40万円です。坪40万円は市場において十分に値ごろ感のある価格です。一般のお客さまの声を反映しました。地産地消、地域密着、物流合理化の結果、30%安く販売することが可能になりました。生活に必要なものはすべてそろっていて、すぐに住める状態になっています。

2007年08月28日

HABITAの8つの仕掛け  5.新技術の先行

HABITAは新技術の研究開発に力を入れていきます。「新技術が産業をつくり、生活を豊かにする」をモットーに、多彩な技術開発に取り組んでいきます。まず第一に、環境問題への対応として家庭内での使用エネルギーをどうするか、省エネルギー、創エネルギーに取り組んでいます。住宅の省エネルギーは言うまでもなく、太陽光発電などの創エネ技術を組み合わせた「ゼロエネルギー住宅」がこれからのスタンダードになっていくでしょう。さらに、多彩な創エネ技術による「エネルギー130%住宅」を実現する技術研究にも取り組んでいます。エネルギーを完全に自給自足し、かつ余った電力で電気自動車も動かすことになるでしょう。

予防医学は重要です。シックハウスなどはもってのほか。これからは予防医学の視点からの、病気になる前に病気がわかるという“健康で長生きできる住宅”も決して夢ではなくなってきます。IT技術の進歩により、自宅と医療機関と結ばれるようになり遠隔医療が可能になります。トイレから電話回線を使ってデータが主治医に送られ毎日のデータを基に診断、結果が悪いと通知がきて治療を受ける仕組みです。自宅で測った心電図を医者が24時間病院でチェックする、心の健康度を測るストレスメーカーといったものも出現しています。さらに、新たに注目されるのが「眼底診断」です。これは眼球の表面を小型カメラで測定して全身の健康状態がわかる新しい診断方法で、アメリカ、ロシア、韓国、日本の医学界で試行され実用化が目指されています。自宅の洗面所に機能を取り付けて毎日健康チェックができるようになります。湿気の多い日本の住まいにとってやっかいなカビやダニ。カビが原因のアレルギー性鼻炎など家原病の根絶も長生きする家の重要なテーマです。「セントラルクリーナー」を普及させたいと思っています。また、木材の内装材は調湿効果のほか、キレない子どもを育てボケ防止にもいいと言われます。

音楽療法も注目されます。音楽が心身に与える影響について研究が進んでいます。バイオリニストにはがん患者がいないという事実など、どうみたらいいのでしょう。園芸作業を治療や教育に生かす園芸療法も広がっています。生活するだけで長生きするような家が実現するかもしれません。さらに、ライフサイエンスの進歩も著しい。ノーベル賞を受章した利根川進氏、芸術家の荒川修作氏らが唱える意識になかった子どもの頃の記憶が大人になって突然よみがえる、先祖の頃の夢をみることができる―などの不思議な話は人間の脳の奥深さを示しているとも言えます。人間や動物など生命の起源をたどる研究成果も人間の寿命を考えるうえで見逃せない事項です。予防医学と隣り合わせのバイオの技術をどう生かすかも大きな課題です。

「ユビキタス住宅」を実現する時期を迎えています。デジタル技術の発展は、家電製品に“頭脳”を持たせ、マイコン制御の調理機器など当たり前になりました。これからはこれらのデジタル家電をネットワークにつなげ、さまざまな情報をやりとりする生活へと変わっていくことでしょう。PLCです。住宅そのものが知能を持つことも現実味を帯びてきています。すでに住宅部品にICタグを埋め込み、さまざまな情報を管理しようという動きが始まっています。部品の方から交換時期を教えてくれたり、不具合を自動でメーカーなどに知らせてくれるといったことが可能になるのです。ただ、ITをはじめとする技術の進歩はその使い方次第では凶器にもなり、殺人やテロにも使われかねません。例えば、真冬の深夜、お年寄りが寝静まってから誰かが遠隔操作で冷房を入れたらどうなるでしょう。恐ろしいことです。技術が進むとき、マイナス面も必ずあります。そのケアをどうするか。事故起こさないようにどうするか。そこを研究してこそ新技術です。HABITAはこうした研究、技術開発に国際メディア研究財団(理事長・三澤千代治)が挑戦していきます。普及品としてのマスプロ住宅にとどまらず、一歩進んだ機能を備えたイメージリーダー住宅、さらに未来型のドリーム住宅にも挑戦しています。

2007年08月27日

HABITAの8つの仕掛け  4.世界標準の提言

HABITAは世界標準の住まいを目指します。これからの住まいづくりを考えるうえで無視できないのが国際的な視点だからです。地球環境の対応はその第一です。資源、公害、温暖化に対応しなければいけません。世界が認める省資源、省エネルギーのサスティナブルな住まいへの取り組みを加速していきます。国産材の活用もその一環です。住環境をいかに整備し、美しい街並みをいかにつくり出すかも、国際的な視野で学んでいます。

戦後、日本は高度経済成長のもと、自然を壊し、国土を削り、景観を無視した街づくりを行ってきました。美しい日本の街づくりをいまこそ欧米に学ぶべきなのです。欧米の街づくり計画の手法であるランドプランニングも参考になるでしょう。自然の地形や環境をいかした美しい街並みづくりは、居住環境の世界標準を目指すなかでの大きな課題です。国際的な視点での住宅建築の合理化、効率化を図るためモジュール(基準寸法)の世界標準の実現も大きなテーマです。現在、モジュールの国際規格はありません。世界中が思い思いの寸法で住宅建築を行っており、わが国でもモジュールは乱立しています。ヨーロッパ、アメリカの住宅建築モジュールもメーター、インチなど入り乱れています。モジュールに合わせて建材や部品がつくられていないので、木材をはじめ資源の無駄は計りしれないものがあります。

経産省は考え方の基準として1モジュールを10cmとする案を出しています。これはISO基準とも合致しています。だが、実際にはこの10cmモジュールもゴーサインが出ているわけではありません。他の産業界が市場の国際化のもと、規格・基準の国際標準化が大きく進展しているとき、住宅産業界だけが遅れているのです。とくに、わが国の住宅価格が諸外国に比べて割高であることが指摘されている現状ではなおさらです。空調機器の場合、モジュールの国際標準が実現すれば、30%のコスト引き下げが可能とも言われています。6月、中国でアメリカ、ドイツ、日本が参加してモジュールのシンポジウムを開きました。財団法人住宅都市工学研究所(理事長・三澤千代治)主催です。中国は30cm、日本の尺は30cm3mm、インチは30cm5mmです。モジュールの国際標準が住宅市場のほぼ50%を占める中国に合わせられたとしたら、その価格引き下げメリットはきわめて大きなものがあります。

これまでモジュールの国際標準化は、もっぱら諸外国から日本市場への参入の障壁になるとの視点から論じられていましたが、今はその様相を大きく変えてきています。わが国のメーカーが海外市場に参入するとき、海外諸国のモジュールが統一されているということは大量生産による低コストでの供給が可能となり、企業として活躍できる道が拓けるということであります。それが進めば地球という1つの世界の中で、人的資源、物的資源、気候風土に応じての国別の役割分担ができてくるだろうと思います。安くて、良いものがあれば世界中のどこからでも輸入できる時代です。日本で、どんなにがんばってもコストを含めて太刀打ちできないモノというのが世界にはあります。堅い木材で出来た北欧の家具、肉食のヨーロッパの国々の皮製品、ドイツの金物、イタリアのデザイン、オーストラリアのレンガ、中国のガラスと石等々。国際分業です。国それぞれが役割分担を決めればいい。日本などはさしずめ、高度な先端科学技術を担っていいのではないでしょうか。その国際分業のためにも規格の統一が必要なのです。

2007年08月26日

HABITAの8つの仕掛け  3.地産地消

終戦後に植林した樹木が60年余を経て十分に成長、建築用材として使えるようになってきたのです。また、戦後の木材需要の主力を担ってきた輸入材が熱帯雨林の消失をはじめとする国際的な地球環境問題の高まりの中で伐採が難しくなり、木材価格も高騰しはじめているのです。

林野庁によると、わが国の人工林は約1,000万ヘクタールありますが、このうち利用可能なほぼ50年以上の樹木の占める割合は3割といいます。これが10年後には約6割に高まるというのです。つまり、スギ、ヒノキを中心に国産材の供給が倍増もします。木材は成長する時にCO?を固定するのです。成長した木材はCO?を固定しません。その意味では今ある木材を活用して新たな植木を植えねば、温暖化に貢献しません。現在は、使用している材の7割が外材であり、国産材は3割というのが現状です。

HABITAはこうした木材需給の時代の流れのもとで、国産材を全面的に使用し、しかも地産地消を原則にして取り組みます。木は生まれ育った土地で使われるのが理想的で、耐久性が長いのです。新潟県で育ったスギの木を地中に埋める電柱として使った場合、非常に長持ちしますが、隣の長野県で同じように使用したところ、2年で腐敗してしまいました。長野県のカラマツを新潟に持っていったら、やはり腐ってしまう。生まれ育ったところでないとダメなのです。飛騨高山には瓦葺きの家がたくさんあり、7年に一度は葺き代える必要があるのですが、葺の入手が地元では難しくなり、箱根の仙石原の葺を使っているそうです。ところが、仙石原では5年しかもたないそうなのです。場所が違うと差が出るということです。

地産地消にこだわる以上、住まいづくりそのものも地元の企業にこだわるべきだと思うのです。HABITAも地域連携を推進していきます。新しいビジネスモデルです。住まいづくりにかかわる林業、製材業、木材加工業、設計事務所、不動産業、そして工務店といった川上から川下までを構築し、それぞれの知恵を生かし、木の魅力を最大限に活かす住宅を提案していきます。林業経営が十分に成り立つ伐採や流通の仕組み、品質・性能を満足させる乾燥材、集成材などの製材業の生産・供給体制、そして木の魅力を十分に活かした設計事務所の設計力と、万全な施工を実現する工務店の施工力、さらには土地情報を持ち、土地を手がける不動産会社が握手し、無駄の多かった住宅産業の物流コストを含めて地域の新たな住まいづくりに乗り出すというわけです。地方銀行が新たな住宅ローンをあみ出すし参加すれば、いっそう理想的になります。

地域工務店の経営は厳しさを余儀なくされています。地域の中で新たな市場を創出していく積極的な姿勢が求められます。そのための新たなビジネスモデルの構築が必要なのです。地域の関連業者との連携による事業の再構築です。HABITAは各地域、各企業にふさわしい、連携による事業の仕組み、体制についての支援を積極化するつもりです。

2007年08月25日

HABITAの8つの仕掛け  2.日本住文化・家族の絆

五寸角の柱を核にした頑丈な骨組みによる200年住宅。耐久性や強度、性能といった面での“物”としての優秀性、信頼度を示すものです。だが、古民家をはじめ今も残っている200年以上の住宅は、単に耐久性があるから残っているわけではないと思います。そこにあるのは「心」であり、「文化」です。家族の絆や思い出であり、日本の伝統や日本の素晴らしい住文化が建物のなかに取り込まれているからです。「もう壊したい」ではなく、「いつまでも壊したくない」「愛着のある」家だからこそ何世代にもわたって引き継がれていくのだと思います。もちろん、美しいデザインが大切であることは当然のことです。古いお寺を壊そうと思う人がいないのは、お寺の伽藍に日本の文化と歴史が宿っていて、人間として先祖代々から心のよりどころになっているからです。

HABITAも、「いつまでも壊したくない」、何世代もが愛着を持ちつづけられる住まいづくりを目指します。住まいに込めるお客さまのさまざまな思いを心を大切にします。そのために、文化を解明する研究に取り組んでいきます。人間はどのようなものに心が癒されるのか。例えば火は心の安らぎに効果があるとされるが、それを囲炉裏や暖炉など住まいのなかでどのように結びつけたらよいのか。また、大切なものと受け止めるものは一体、何なのか。大切にし、壊したくないものとは何なのか。さらに先人たちが後世に残したいと思っているものには何があり、それは何故なのか―。そうした研究を行うことが文化のある住まいづくりにつながっていくのだと思います。先ず、日本の住文化を見直し、日本の古くからの文化、伝統をなくしたくない、継承していきたいと考えています。

「玄関」「畳」「床の間」「引き戸」「障子」「大開口」「縁側」「風呂」など、日本建築に学ぶものはたくさんあります。世界にまれな発想ばかりです。玄関で靴を脱ぐ上足文化は健在です。この日本の住文化を進化させていけば、21世紀型の住宅として世界に誇れる住まいになると思います。「古く正しいことを新しい方法で」やる研究開発に取り組んでいきたい。「温故知新」が大事でしょう。しかし、論語はこの後に「可以為師矣」(以って師と為すべし)と続きます。つまり、温故知新ができれば、その人は師となれるというわけです。それほど温故知新は大変なこと、難しいことなのです。しかし、HABITAは、それに挑戦し続けます。

2007年08月24日

HABITAの8つの仕掛け 1.200年住宅の実現

HABITAは大断面木構造で200年住宅の実現を目指しています。自民党住宅土地調査会が200年住宅ビジョンを打ち出し、国交省など政府も200年住宅を旗印とする超長期耐用住宅に向けて政策の検討に入っていますが、HABITAは業界のなかで一歩先んじて200年住宅への調査や実現方策を進めてきました。

実現への目玉が「木構造」です。木造で200年の耐久性など無理との声もありますが、歴史的に長寿命が証明されているのは木構造建築です。法隆寺は1300年以上の寿命を誇ります。飛騨の高山、富山など200年以上経っている住宅がたくさんあります。私は全国を見て回りました。300年以上の住宅がいくらでもあり、500年前という住宅もあります。全国のリスト300件を作りました。木構造による200年住宅の可能性は歴史が実証しています。ヨーロッパにも中国にも木構造の家はたくさん残っています。400年~500年のものが現在も使われています。

HABITAは200年住宅推進のヒントをプレハブ住宅の対極にある古民家再生から導き出しました。現存する日本の古民家における共通点のひとつが木材を覆ってしまうのではなく、見えるかたちでの“現し”です。木材が蒸れて腐ることがないのです。構造材である柱と土台に五寸角(15cm)の木材を採用しています。梁は5寸1尺(15cm×30cm)です。一般工法の木造住宅の柱は普通、3寸5分(10.5cm)が標準で、四寸角(12cm)も少ない。いわんや五寸角は例外的な存在でまず見かけません。五寸角は頑丈であることに加えて、耐火になります。残っている古民家の多くは五寸角の柱でしたし、今年3月に発生した能登半島地震でも倒壊しなかった家の特徴が柱、梁など構造材が五寸角をはじめとする骨太の柱、土台であることが判明しています。さらに、建築構造の面から強度のある「節のある木」の乾燥材です。生木ではありませんから腐らないのです。強度はムクの1.5倍です。狂わない構造です。

すでにHABITAモデル住宅の見学会でも、柱、土台など木造現しの骨太デザインが話題です。また、HABITAではメンテナンスを定めています。35年に一度の改修を行い、さらに3度目の築後100年に再生を実現します。そして200年に向けて2回の改修を行います。これは古民家の再生と同じです。この再生のために、基本構造が古民家と同じポスト&ビームの木構造を理想としました。HABITAは自信を持って、200年住宅を推進していきます。

2007年08月23日

HABITAの8つの仕掛け

日本の新しい住まいのブランドを目指す「HABITA」。住宅産業が歴史的な大転換期を迎えようとしている時、時代を見据え、真の住まいづくりの担い手である地域工務店や不動産会社、設計事務所などと共同して住宅産業に新たな流れをつくり出そうというものです。世界一の日本の住文化に世界の知恵を重ね合わせています。

「子どものため」「資産形成のため」「日本の住文化のため」という理念のもと、それを実現するためにHABITAは8つの“仕掛け”を進めます、事業計画です。

1. 大断面木構造で耐久性200年住宅の実現=物をしっかりつくる
2. 日本の住文化・家族の絆=心を大切にする
3. 地産・地消=地元林業、加工業、設計事務所、工務店、銀行の連携
4. 世界標準を提言=世界中から良いものを集めます
5. 新技術の先行=エネルギーユビキタス、予防医学など
6. 原価公開・正価販売=標準仕様・標準建設費を毎年発表
7. 地域の活性化=住宅の経済効果は8倍、地方経済に貢献
8. 400年に一度の大仕事=たくさんの企業の参加で

明日より順番にこの8つの仕掛けを説明していきます。

2007年08月22日

HABITAの理念・日本住文化のために 自然が支える住文化

西欧の家はおおむね石づくりです。頑丈で窓は小さく、扉は強固で重く厚い。こうした家のつくりには気候や風土の差もありますが、戦争の違いがあります。日本の戦争は男どもの権力闘争です。そのため、民家は焼き払わないし、女、子どもは殺さない。夜襲は卑怯で、野原で「我こそは」と名乗って始めるなど、まるでスポーツのようなルールがあったのに対して、ヨーロッパは血と血の争いです。そのため、女、子どもまで皆殺しにしてしまいます。このため、家の機能は外敵の攻撃から身を守ることに主眼がおかれたのです。その結果、家の窓はどんどん小さくなり、鉄格子が入り、家の周囲はしっかりと石で固められました。玄関にはカギがかかり、一軒一軒の家がそれぞれ一個の要塞となったといえるのです。西洋建築の歴史の背後にあるこうした厳しい現実を見れば、明治時代までカギさえ普段は掛けずにいた日本の開放的な家が、どれほど理想的なものであったか理解できます。また、西欧人と日本人の自然観の違いもあります。日本人は自然と共生することをよしとし、暮らしのなかにも自然を積極的に取り入れようとしたのに対し、西欧人は人間の意のままに自然をも征服しようとしたということです。

石づくりの堅固な住まいは自然からも人を守りました。日本とヨーロッパの庭を比べると、日本の庭はもともとの自然を生かしつつ造られ、庭の周囲にある山や樹木等の自然を借景として取り入れています。ヨーロッパの庭園は野性味などは完全に払拭されてしまい、幾何学的なデザインの計算された人工の美しさを誇るものが多いのです。自然との向き合い方、捉え方が住居にあらわれているといえます。日本の住文化も自然が育んだものと言えるのです。HABITAも自然との関わりの中で日本の住文化を見つめていくつもりです。

2007年08月21日

HABITAの理念・日本住文化のために 日本の住文化と日本の精神文化

HABITAは「日本の住文化のために」を理念としています。戦後、見失ってきた日本の住文化の正しいものを見直していきたいのです。マスコミのアンケートによると、和風のものや行事が好きか、との問いに「好き」と答えた人が8割と圧倒的に多く、その理由については「自国の文化を知っておくべきだから」58%、「外国の文化よりも日本の文化のほうが魅力的」41%となっていました。自分の国のことを知っておきたいという気持ちと、日本の魅力を再認識しての新鮮な感動が伝わってきます。

住宅の研究所の調査ですが、洋風のリビングでも冬はこたつでくつろぐ世帯が30%あり、ソファがあっても座らずに床座りをすることが多い世帯は34%、ベッドではなくふとんを敷いて寝ている世帯も42%いることがわかりました。洋風住宅のなかで和風の生活をしている世帯が意外に多いのです。生活がいくら西洋化しても中味は日本人です。いつの時代にも日本人らしさというものを私たちは求め続けているのです。

日本人であることに誇りを持てるような住まいづくりが大切になるでしょう。そこに住宅メーカーとしての真骨頂がある気がしています。HABITAの出番です。「あ・うんの呼吸」や「目は口ほどにものを言い」などに見られる日本人の曖昧さ、繊細さは、欧米人には欠点と映るようで批判もされてきました。たしかに、合理的で白黒やイエス・ノーをはっきりさせ、自分の意見や感情をはっきり表現する欧米人には、理解しにくいとは思います。日本人のこういう曖昧さ、繊細さは相手をおもんばかる、傷つけないという日本人の精神文化といえるのです。

私は日本の住宅、住文化がその要因ではないかと思っています。たとえば、日本家屋というのは家と外が一体化しています。家庭という言葉が象徴するように家と庭が渾然一体となり、縁側のように内か外かはっきりしないという空間の使い方をする。どこからが家の中なのか、外なのか、境界を明確にしないのです。廊下の先でもない。濡れ縁のところでもない。庭石まででもない。庭先から山、そして空まで空間は連続的につながっているのです。捉え方一つで、遠くに見える空も庭先にあるインテリアなのです。この曖昧さが日本人なのです。

2007年08月20日

HABITAの理念・資産形成のために 長寿命化が資産価値の核

住宅寿命の長寿化を図り、住宅の資産価値を高めていく流れのバックボーンとなったのが2006年6月に公布、施行された住生活基本法です。戦後の量の追求を目的にした住宅建設計画法にピリオドを打ち、新しい時代に対応した住政策として登場させたのです。国民の豊かな住生活の実現を図るための住政策・住宅産業にとってのいわば憲法のようなものです。「住宅の基本法」ではなく、「住生活の基本法」としたところに、国民の生活、暮らしにまで踏み込もうという意気込みを十分に感じることができます。基本理念には良質な住宅の供給だけでなく、「誇りと愛着を持つことのできる良好な居住環境の形成」をも高らかにうたいあげています。

国交省は法律の趣旨を「住宅をつくっては壊す社会から、良いものを作って、きちんと手入れをし、長く大切に使う社会へ移行し、住宅を社会全体の資産として活用していけるようにする」と語っています。そして、この想いを実現する象徴が、住宅の長寿命化ということになるのです。住まいを大事にし、努力をすれば住宅の価値が上がるという流れをつくりたい。加えて、安全で美しい街並みのイメージができ上がれば、さらに住宅の資産価値が高まるというかたちにしたいものです。

米国では、住み替えで資産形成を図っていくという考えが定着しています。住宅を大事にし、手入れをすることで、いざ住み替えで住宅を売るときに、5年間で560万円ぐらいの値上がりは決して珍しいことではないのです。HABITAは200年住宅を文明=物、文化=心の両面からの対応で実現を図り、資産形成が高まる住まいを目指します。売るときに、買った価格より高く取引される住宅にしたいと思っています。

200年住宅の実現によって、住宅は消費財ではなく、耐久財となり、社会からも祝福される社会資産にしたいと考えています。何世代にもわたって住み継がれる住宅―。これはまさに「ゆりかごからゆりかごへ」の新たな住宅の価値観の誕生ともいえます。

2007年08月19日

HABITAの理念・資産形成のために 短い生命の悲劇

日本の住宅寿命は短いどころか、建築後15年もすれば残存価値はゼロに近くなってしまいます。欧米では100年を超す住宅が数多く存在するにもかかわらず、わが国ではローンが完了するかしないうちに取り壊されるという無残な姿をさらすことになるのです。欧米では100年住宅を過ぎた住宅でもビンテージ物として新築に劣らぬ価値を持ち、評価されるのも決して珍しいことではありません。短い寿命で壊し、また建てるから街並みに落ち着きがなく、汚い景観をさらけ出すのがいまの日本の街の現状といっていいのだと思います。

バブルに踊り、土地は値下がりしないといわれた土地神話が日本の住宅にとっていかに不幸であったかをいまさらながら思い知ります。本来は土地だけでなく、住宅の価値も含めて資産価値を考えるべきだったのに、地価があまりに上がってしまったために、そちらに注目してしまい、家の値段などどうでもよくなってしまったのです。大体、日本がいかに住宅に対する価値を認めていないかは中古住宅の取引にはっきりあらわれています。明瞭に査定、評価の基準があるわけではなく、築後何年かというきわめて簡単な評価で取引が行われてきたのです。

しかし、こんなおかしいことはありません。きれいに手入れをし、美しい、使いやすい家なのに一律、築後何年で片付けられては家を大事にする風潮など生まれるはずがないのです。だが、もうそんな考えは、高齢社会に突入するなか、経済的にも、環境的にも通用しません。住まいの価値に注目しての流れをはっきりつくりあげなくてはいけないのです。スクラップ&ビルドの社会から明確に決別する時期がきたことは明らかです。

2007年08月18日

HABITAの理念・資産形成のために 住宅資産の貧困

こんなデータがあります。国富という視点からみたとき、わが国の住宅資産額は250兆円であり、国富総額2600兆円のほぼ10%弱になります。この割合はほとんど変化していません。わが国の住宅投資は毎年20兆円も行なわれているのに、住宅資産額は増えていないというのはどういうことなのでしょうか。

ところが、米国ではどうでしょう。米国の国富総額は7500兆円ですが、このうち住宅資産は2500兆円です。実に30%の比率を占めているのです。米国と日本の年間の住宅着工はそんなに大きな差がありません。それなのに住宅資産額は、日本は米国の10%程度しかないのです。日本の住宅がいかに社会的資産として残っていないかの証拠です。

別の角度からも見てみます。中古住宅とも言われる既存住宅の流通量の比較です。日本の住宅ストックは現在、5400万戸で、世帯数4700万世帯に対して家余りの状態です。それなのに、中古住宅として流通市場に乗り、取り引きされるのは年間18万戸程度にしかすぎないのです。ところが、米国では1億4000万戸と言われるストックのうち、年間700万戸が流通、取り引きされているのです。ここからも、既存住宅が日本では住宅流通市場に乗らない実態がはっきりわかるのです。既存住宅は流通せず、取り壊されているのでは―との想像ができるわけです。耐震基準に満たない住宅が1100万戸にのぼるという実態があります。

さらに、こうした日本の住宅の資産価値のなさを裏付けるのが、住宅の寿命です。日本の住宅の耐用年数は30年足らずなのに対して、米国が103年、イギリスが141年と言われており、日本の住宅の寿命が圧倒的に短いのです。もっともこの耐用年数の数字はストック数、減失数、新設住宅戸数などをもとにはじき出したもので、旧・住宅金融公庫が融資住宅を対象に算定したものはまた違ったものになっています。まぁ、算定方法によっていろいろな数字が出てくるのはデータの常。外国のデータだって同じです。その真偽はともかく、日本の住宅の寿命が欧米諸国に比べてきわめて短いということだけは間違いありません。国富に占める住宅資産額が増えないのも必然のことなのです。

2007年08月17日

HABITAの理念 ~子どものために~

「住まいは子どものためにある」は、住宅事業を始めたときからのいまも変わらぬ信念です。古い書物に「巣まい」と記されているのを見ました。鳥が巣をつくるのは子育てのためです。卵を産み、ヒナを育てるために巣をつくり、風雨や外敵から守ります。人間の赤ちゃんも鳥と同じように生まれてから成長するまでに親に守られ、育てられます。住まいは大人の目線でつくられがちですが、巣づくりの原点は子どもの立場にたった家づくりが大切だと思っています。子どもが健やかに育つための安全性、快適性、子どもの感性や能力を伸ばすための機能性を兼ね備えた家こそが本来の住まいの役割だと思うのです。

ニューヨークの大学のマウス実験によると、蛍光灯では女性が生まれ、発熱灯では男が生まれる傾向があると報告があります。病院の白い壁、音の少ない部屋より自宅のいろんな色、音がする部屋の方が赤ちゃんの脳の発達が早いという報告があります。部屋の色で子どもの性格が変わることもわかっております。間取りが大切です。

「人が住まいをつくるように、住まいも人をつくる」といわれます。住まいが人間形成のうえで大きな意味を持ち、環境の良し悪しが子育てを左右することは確かです。かつて、大物と言われる人たちの子どもの時代に育った家を調べたことがあります。明らかになったのは子ども時代に育った家を調べたことがあります。明らかになったのは子どもの頃に天井の高い、広々とした空間で育った人が将来、名をなす大人物になっている、ということでした。

最近は子どもに個室を与える傾向が強いのですが、ドアで仕切ってしまと内の様子がわかりません。子ども部屋を親の目の届かない非難の場所にしてはいけないのです。そのためにも、ふすまがいいのです。室内の気配がわかり、親も安心できます。「個室を子失」にしてはいけません。ふすま越しに「最近のお兄ちゃんは夜遊びして困る」などという両親の会話を何気なく聞いて反省する。相手の気持ちを察することが社会性の第一歩です。音が筒抜けになる日本の家屋は子どもに社会性をつけさせる住まいといえます。家の中の事故もたくさんあります。対策をせねばなりません。

今西錦司氏は「ファミリーとは人間のみに神が許された生活様式である」と言っています。家族が人間にだけ与えられた生活様式なら、大家族を見直すことも大事だと思います。よく核家族制度には戦後、アメリカから入ってきたように言われていますが、アメリカでも上流階層には三世代同居が多いのです。特に、社会の上層部を形成するワスプでは三世代同居が主流を占めています。ここに生まれ育った子どもたちは一族の血を受け継ぐエリートとしての徹底的な教育を受けます。特に、礼儀にはやかましく言われます。男の子は父親を祖父から徹底したエリート教育を、女の子は母親と祖母からよき花嫁となるための躾を受けるのです。

ユダヤ王国は2500年前に滅亡したにもかかわらず、ユダヤ人は今日までの強烈な文化と宗教を維持しています。その背景にあるのが、三世代同居という家族制度なのです。ユダヤ人の商売のうまさ、情報をつかむ巧みさは、親のノウハウを孫へと伝授することで連綿と受け継がれてきたのです。その伝達装置として機能しているのが、三世代同居の家庭なのです。ユダヤ人の場合、国家に代わり家庭が国家の役割を果たしてきたといえるのです。日本でも子どもにとっても家族の人数が多い方が面白いはずです。祖父母からは両親と違った話が聞けるし、男同士、女同士の会話や遊びができ、子どもも加わることができる。それぞれにつながるのです。核家族化が進むところまで進んだ今、大家族の三世代同居が見直されていいと思うのです。子育ての時期には周囲にたくさんの人がいるほうが、母親にも、子どもにとっても望ましいといえます。

2007年08月16日

HABITAの3つの理念

HABITA構想が動き出すなかで、HABITAに対するさまざまな質問が寄せられてきています。これからしばらく、HABITAについての理念や事業の柱などについて改めて整理、説明していきたいと思います。これまでに述べてきたブログと多少、ダブりますがお許しください。

HABITAの理念
1. 子どものために
2. 資本形成のために
3. 日本の住文化のために

いま何故、HABITAなのか、HABITAへの想いを共有していただければと思います。HABITAは「子どものために」を第一に考えます。創業以来変わらぬ考えです。子どもを生むこと、育てること、教育のこと、躾のこと、等々、あまりに重い問題ですが、住産業が担っている責任は決して小さくありません。家族のあり方と住まいは密接な関係です。HABITAは「子どものための住まいづくりとは」を追求し続けます。「日本の住文化のために」には、日本の住文化は世界に冠たるもの、との認識からです。今、世界が日本の住文化を取り入れる動きさえみせはじめています。日本の良さをなくしてほしくない。そして、日本の古くからの文化、伝統を新しい手法で継承していきたい。日本の住文化を進化させ、21世紀型の住まいとして世界に誇れる住まいになると信じています。次回から、この3つの理念について、それぞれ思いをお知らせします。

2007年08月15日

200年住宅に業界も動く

自民党が200年住宅ビジョンを発表し、国交省や経産省など政府も200年住宅に向かって動き出すなかで、住宅業界も、200年住宅に向けての取り組みを本格化させようとしています。まさにHABITAが200年住宅の先陣を切ったとの印象を改めて強く感じています。

業界の取り組みは、まず業界団体の住宅生産団体連合会の「超寿命住宅に関する検討会」がまとめた「住宅の超寿命化に関する提言」です。提言によると、200年住宅を「200年もつ住宅ではなく、20年×10で、持たせる住宅」と考えるべきだと提案しています。定期点検やメンテナンスを普及し、「家歴書」を整備することで、住宅のトレーサビリティを向上させることや、住宅をスケルトンとインフィルに区分して管理していく仕組みなどの重要性を訴えています。住生活支援や評価など住宅の長寿命に必要だとしています。今後、住宅業界では、200年住宅を意識した商品開発や事業活動が活発化してくるでしょう。

HABITAは200年住宅に向けての様々な取り組みを強化し、ブラッシュアップしていく考えです。HABITAとしては、力を入れていくのが文化であり、心であり、家族の絆です。HABITAは文明50、文化50の半々を目標に揚げています。そして文明は“物”、文化は“心”におきかえて考えてもいます。HABITAの出した答えは、耐久性や強度、性能といった“物”としての優秀性、信頼度に加えて、伝統や歴史、家族といった“心”のある住まいこそ200年住宅であると考えます。「もう壊したい」ではなく、「いつまでも壊したくない家」づくりが大切です。HABITAはこれからも、200年住宅の推進に向けてこの“心=文化”の重要性を強く訴えていくつもりです。そこで、HABITAとしての差別化を図り、業界での優位性を発揮していけたらとも考えていることは、すでにお知らせした通りです。

2007年08月14日

200年住宅

HABITAは200年住宅を目指していますが、政府も200年住宅の実現に向けて動き始めました。政府は昨年6月、豊かな国民生活を実現するために「住生活基本法」を制定し、今年5月に自民党政務調査会の住宅土地調査会(会長・福田康夫氏)が発表したのが「200年住宅ビジョン」で、住宅産業界に大きなインパクトを与えました。

「200年住宅」を超長寿命住宅の象徴的な言葉として使い、超長期住宅ガイドラインの制定、家歴書の整備など12項目におよぶ政策提言を行っています。自民党という与党が住宅問題に対してこうした本格的なビジョン、提言を打ち出したのは初めてです。政府が住宅問題に切り込んだということではルーズベルト大統領が1929年の大恐慌時に打ち出したニューディール政策を思い出します。大不況下、新設住宅着工数はピーク時の1/10にまで減少し、政府は、住宅需要を喚起するためにニューディール政策の一環として連邦住宅局(FHA)を設立、大規模な住宅金融の助成を行ったのです。融資に当たって、品質・性能面での審査基準を決め、評価を行い、低い評価の住宅には融資をしなかったのです。「住宅は長持ちしなければいけない」という思想が貫かれています。その成果は80年経った今でもこの融資基準で建てられた住宅として評価され、流通しています。200年住宅ビジョンが軌道に乗るようなら福田康夫氏は米国のルーズベルト大統領並みに住宅産業界功労者として歴史に名を残すかもしれません。

自民党の200年住宅ビジョンでは(1)住宅の建設・取得・維持管理のための国民負担の軽減、(2)廃棄物・CO2の削減、(3)わが国のゆがんだ国富構造の是正、という3点をメリットとしてあげています。ここから描き出されるのは、成熟社会にふさわしい「ゆとり」ということでしょう。この200年住宅ビジョンに呼応するように、経済産業省では「今後の住宅産業のありかに関する研究会」が中間報告のかたちで、住宅産業の今後の方向性をして「“住み継ぐ”住宅システム」の構築を打ち出しました。2025年までに日本が目指すべきイノベーションの姿について学会、産業界などの有識者が集まる「イノベーション25戦略会議」がまとめた報告書のなかでも、「200㎡、200年住宅」をイノベーション例をとして挙げています。技術的に十分に実現可能とみているのです。

国土交通省でも200年住宅の実現に向けて総括的な施策を講じていく考えで、立法化をも視野に入れているといいます。200年住宅ガイドラインの策定や住宅履歴情報システムなどがまず、具体のテーマに上がっています。まさに、国も今、200年住宅をいう超長寿命住宅の実現に向けて舵を切ったのであり、「良いものを長く使う」方向へと転換したとみていいのだと思います。HABITAへの追い風です。

2007年08月13日

地球環境に世界が動く

HABITAが目指している理念や事業方針が時代の追い風を受けています。地球環境問題に世界が本格的に取り組もうとしています。今年6月にドイツのハイリゲンダムで開催された「G8ハイリゲンダム・サミット」では世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに半分以上削減することでG8首脳の合意が得られました。世界気象機関(WMO)が指摘したように世界各地で洪水や熱波など記録的な異常気象が頻発している大きな原因が地球温暖化にあるといわれる中、地球温暖化対策はいわば地球人の義務になったとみていいと思います。これによって来年7月の北海道洞爺湖サミットでは、地球環境が議論の主要テーマになった。HABITAは地球環境を据えています。

HABITAは地球環境を核に据えていますが、地球環境問題は大きく3つあります。資源の枯渇、温暖化、公害です。地球の資源には限りがあり食料を含め、世界人口65億人は生きられず25億人が適正という見方さえあります。エネルギー源としての化石燃料の有限性はいうまでもなく、省エネルギー、創エネルギーの徹底は急務でしょう。一大酸素供給地帯である熱帯雨林の消失も深刻です。20世紀に入ってすでに40%が消失し、木材消費国である日本の責任も重いはずです。地球温暖化による影響は海水温度を上昇させ、集中豪雨や台風など大規模な気象変動を発生させていることはWMOの指摘どおりです。むしろ、その被害は各種の予測を上まわるスピードで進んでいるように思えてならないのです。

平成20年度政府予算でも環境対策が最大のテーマになるのは間違いありません。京都議定書では政府は6%nのCO2%削減を目標としました。しかし、現実にはわが国のCO2排出量は減少するどころかむしろ増えています。05年度で基準年の排出量を7.8%も上回っているのです。つまり、6%に7.8%を加えた13.8%が今の日本に課せられた削減目標だということです。これは途方もない目標です。並大抵のことではありません。よほど腹をくくらないと思います。

公害は使い捨て文化の産物です。大量生産、大量消費が自らの首を絞めることになっているのです。自然環境の破壊、増え続けるゴミ処理の問題、環境ホルモン、有害化学物質の環境汚染などがまさにその代表で、ダイオキシンの汚染土壌も深刻です。いまや、水でさえ、日本のおいしい水は神話となり、水をペットボトルで買う時代になってきてしまっています。地球環境の悪化がこのまま進むと、2060年には日本人の平均年齢が20歳になるという衝撃的なレポートもあります。HABITAが唱える200年住宅は、まさに地球環境を明確に意識したサスティナブル住宅です。地球環境に世界が動く。まさにHABITAへの追い風です。

2007年08月11日

世界標準2

Lucent(ルーセント)は今までに18名のノーベル賞受賞者を輩出したベル研究所を傘下にもつ、通信会社の世界巨大企業です。 Alcatel(アルカテ)はヨーロッパで最大の通信技術をもつ企業です。この度両社が合併してAlcatel-Lucent(アルカテ・ルーセント)となり、売上4兆円の世界企業が誕生しました。本社はフランスにあります。

HABITAとの関係は、Alcatel-Lucentの韓国現地法人が、今後日本でも普及するだろうと言われているPLC(高速電力線通信)の技術を実用化し、これがホームネットワークとして、現在までに7000台が普及しているということに心をひかれて、日帰りで韓国まで見に行ってきました。

「世界標準1」はモジュールの問題で、先日中国、アメリカ、ドイツ、日本が集まり、北京でシンポジウムを行いました。現在の方向性を出すことに鋭意努力中です。ホームネットワークも世界標準が望ましいという観点から今回の訪問に至りました。結果は一応満足できるもので、来年度採用について、デザインの打合せを行ってきました。日帰り出張という少ない時間の中で、充実した時間を過ごすことができました。

2007年08月10日

暑中お見舞い申し上げます。

8月の予定

7日 韓国・ソウル アルカテルルーセント社打ち合わせ
15日・16日・17日 千葉モデル撮影
19日 九州提携店千葉現場見学会
21日 HABITA提携店研修会
22日 HABITA提携店研修会
23日 デベロッパー千葉現場見学会
29日 デベロッパー千葉現場見学会

2007年08月09日

住宅産業はクレーム産業ではない

住宅メーカーが、よく「住宅産業はクレーム産業だ」と言います。これは間違いです。ちょっと古い話になりますが、山本の行った仕事ですので、ここでご紹介します。

昭和44年、東京近郊の狭山で、東急不動産と一緒に、宅地開発をしたことがあります。500百区画の規模でした。東急不動産の松尾社長が「三澤さん、ここは実験だ。一緒にやろう」と言います。何のことかと思ったら、CSつまり「顧客満足」の話でした。CSという言葉は、お馴染みだと思います。アメリカ生まれ、一言で言えば「お客さまは常に正しい」という考え方です。例えば、あるアメリカの百貨店に、そこでは売っていないはずのタイヤが返品されてくる。それでも「お客さまは常に正しい」から、その返品を受け付け、代わりのタイヤを捜して渡したと聞きました。アメリカ流にお客さまの不満はすべて聞き、その無理難題に全部答える。そうしたらどうなるか、いくら掛かるかやってみよう、という話です。

団地には山本自身が自宅を構えました。実に本気です。結果はどうなったと思いますか?そんなことをしたら、とても事業として成立しない、という考えの方がほとんどでしょう。「住宅はクレーム産業」で山のようにクレームが来るのだからと。やってみると確かにクレームはいろいろ来ました。中には「建て替えろ」という方もいました。「戸が動かない」「雨漏りがする」「庭木が枯れた」……。それを「ハイ分かりました」と全部受けたのです。ところが、その費用は総事業費の3%でしかかかりませんでした。全部受けても3%なんです。「いやお客さん、そこまではできません」とか「それはお客さまの使い方の問題もあるのでは」とか、クレームとなるといろいろなやりとりがあり、交渉事が発生します。面倒です。しかし、これらを全部一律に聞いてしまったら、簡単に片が付きます。しかも、お客さんは喜ぶ。それで費用は、3%。ですから、住宅もCSを取り入れて、お客さまがすべて正しいとやった方が信用が上がります。もし、計画より5%高く売れれば、その差額の2%、儲かるじゃありませんか。CSをきちんとやった方がどんなにいいか、ということです。東急さんには本当にお世話になりました。

2007年08月08日

ハウスでなくホーム、そしてHABITAへ

「ハウスではなくホーム」これは山本が言った言葉です。勉強をしていなかったせいか、「ホームズ」とすべきところを「ホーム」と言ってしまった。でも、山本が「ホーム」という言葉を持ってきて、ミサワホームが世に出て以来、三井ホーム、パナホーム、住友ホームなど、世の中「ホーム」だらけになっています。

ハウスは「物」でありハードウエアですが、ホームは「家庭」、つまりソフトです。私たちが提供しようとしたのは、ホームでした。そして今、住まいづくりには、街づくり、資産形成という要素が大切になっています。それで今回私が皆さんにお誘いしている住宅事業は「ハビテーション」という言葉を基に「HABITA」と名付けています。子どもたちのために日本の住文化を継承し、長く住み継いでいける資産価値のある住まいづくりを目指します。

2007年08月07日

山本幸男という男

山本と私は深い付き合いでした。もとは、新潟の高校時代のクラスメートです。私の親は事業をしています。山本の家も問屋ですから、何となく気が合ったということもあったと思います。私が病気を経て世にでたとき、山本も二浪していて、それで一緒に仕事をしよう、ということになりました。

山本と私は、まるでタイプが違うんです。彼は文系で私は理系。私はせっかち、山本はのんびり屋。商売も、私はフローで回転が速い方が好き、彼はストックの堅実派。着ている服は、私は全部紺で、彼は全部茶色。彼は酒が飲めて、ゴルフが好き、私はゴルフも酒もダメ。彼は歌がうまく、私は音痴などなど・・・とにかく、ことごとく違いました。もちろん、仕事を一緒にやっていても、口を開けば逆のことを言う。でも、これが経営のバランスになりました。「なるほど、そういう見方もあったか」と気付かされるのです。ですから、違っていたことは幸運でした。しかしその山本は、あの8月12日の日航ジャンボ機事故で亡くなりました。会社が最後に成功できなかったのは、山本がいなかったからだと指摘する同業者がいるらしい。それは私には分かりません。でも、そうかもしれないという気持ちはあります。

2007年08月06日

二世会

昭和40年代の初めから「二世会」という集まりを始めていました。お付き合いのあった工務店さんの二世の集まりです。当時工務店さんでは、父親が高齢になり、そろそろ息子さんを後継者にして、バトンタッチしようと考えているところが多くなっていました。しかし、父親たちは、腕は一流でも話は上手ではない。息子さんも、そういう父親の下で育っているから、やっぱり話はうまくない。そこで、研修会を始めました。といっても、そんなに堅苦しい勉強会ではありません。土曜日の午前中に集まって、食事をしながら、雑談をするようなものです。専務の山本幸男が作った会ですが、私も顔を出して、経験談を話していました。

その「二世会」の人が、みんな一流の経営者として育ちました。父親の後を継いだ人もいるし、別の会社を興して大きくした人もいます。彼らは異口同音に「職人はもちろん、お客さんと直接話ができるのは『二世会』のお陰」と言ってくれます。そんな彼らがHABITAに関心を持ってくれているのでうれしい限りです。今でも土曜日の午前中、だれでも参加してもらうベンチャー経営者の集まりをしています。上場した会社は20社にものぼります。ソフトバンクの孫さん、光通信の重田さんなど、大物も一時見えていました。

2007年08月05日

日本最古の集成材

筑波の森林総合研究所というところがあり、そこに農学博士の神谷 文夫先生と林 知行先生がいらっしゃいます。そこにはかつてミサワホームに勤められていた平松靖さんも研究員として活躍されています。この研究所を尋ねた目的の1つは、シロアリが木材をどのように食べるかということを知りたかったからです。これには材質によって違いがでることがわかりました。

九州は温暖な土地で、シロアリが住みやすいのにもかかわらず、杉の木が立派に育っています。これは、九州の杉の木には、対抗性ができおり、シロアリに強いということです。対して外材、特にホワイトウッドは、一週間のうちに食べられてしまい、形がなくなってしまうといいます。シロアリにとって美味しい木材ということでしょう。国内材の多くは、堅いところは残して、軟らかいところは食べられてしまいますので、蜂の巣のように中がスカスカになってしまします。これは防蟻処理を行うことと、地面にバリアをすることによって防げるとのことでした。

もうひとつの訪問の目的は、集成材と接着材の耐久性についてお話をお伺いするためです。それに関しては、ミサワホームで接着工法を扱っていたので知識は十分にありましたし、また、父が戦時中に木製飛行機を作っていたので自信がありましたが、念には念を入れて、お話をお聞きしました。

集成材の歴史は古く、平安時代の仏像も木を組み合わせて彫られています。また、この頃のお膳も、木材を組み合わせた後、うるしを塗って仕上げていたという、長い歴史があります。神谷先生のお話では、ヨーロッパでは構造体として、橋、駅舎などがあるということでした。日本には杉並に林産研究所という建物があり、現在構造体はここの森林総合研究所にありました。70年ほどあるとのことです。集成材の耐久性については、結論は木材が破壊すると使えなくなるということです。つまり、接着材は化学製品なので、一度生産されると永久に存在し続けます。あえて耐用年数を言えば2000年-3000年ほどだと伺いました。従いまして、HABITAの200年住宅に一層自信を深めることになりました。

当社の、森田常務は東京大学農学部林産科出身で林業関係を生きがいの仕事としておりますので、ご質問等ございましたら森田に問い合わせてください。

2007年08月04日

マウスの実験

宮崎県の木材加工センターにいってきました。10年前に宮崎県が投資して木材の研究をする日本で一番大きな施設です。所長は東京大学名誉教授有馬孝禮氏です。古くからご指導いただいていることもあり、今回訪問しました。宮崎県は杉の木の産地で、九州一円はもちろんのこと、中国や韓国に輸出しています。

有馬先生が行われた実験で次のようなものがあります。静岡大学でマウスを使った実験を行いました。みかん箱ほどの木の箱と、コンクリートの箱、さらに鉄の箱を50箱づつ用意し、それぞれの箱の中でつがいのマウスを飼い、動向を調査するというものです。それによると、木の箱で飼育をしたメスのマウスのうち、90%は子供を産み、子供は育つことができました。それに対し、コンクリートの箱は20%、鉄の箱は40%です。いかに木材が生命にとってよいか、また産まれてきた子がどのように成長するかというデータを測ることができ、一番良く成長したのは木の箱でした。そして、2番目がコンクリートで3番目が鉄という結果になりました。

また、それぞれの箱で飼育されているオスのマウスだけを一箇所にあつめて、どういう現象が起こるか調べました。人間社会でいう会社勤めのようなものです。結果は木の箱のマウスはストレスがないので、仲良くしていました。コンクリート、鉄の箱のマウスは、ストレスがたまっているのか落ち着かず、1日目はケンカが耐えませんでした。2日目になるとケンカはしなくなったものの、不幸なことに序列ができており、一番強いマウスが他のものを支配するようになりました。体力がないマウスはえさにもありつけず、隅で小さくなっていました。人間社会で問題になっている格差社会ができてしまいました。

マウスの実験は、木が生物に及ぼす影響を調べたものですが、有馬先生のお話では、人間も同じようなことをいえるとのことでした。木には木目、繊維があり、同じ模様のものはひとつもありません。木に囲まれていると人間はたくさんの情報を木から得ることになります。ところがコンクリートや鉄からの情報は1つですから、人間は落ち着かないことになります。一見逆のように思うかもしれませんが、たくさんの情報に囲まれていると人間はストレスがたまりません。情報が少ないほどストレスがたまるのです。例えば昔の拷問で、真っ白な壁に囲まれた無音の部屋に入れ、精神的に参らせるというものがあったほどです。住宅の中が、高断熱、高気密、無色の壁で覆われると、そのようなことになってします。

さらに有馬先生によると、木の家は子供がアトピーにならない、木はコンクリートや鉄に比べて、柔らかいので、けがをしない。また木は温もりがあるので、過剰な冷暖房がいらないということです。さらに、水を吸収したり、吐き出したりするので、除湿・加湿効果があります。そして木からたくさんの情報を得るため、お年寄りがボケにくく、また老人特有のにおいも吸収するそうです。高温多湿の日本、さらに高齢化社会を迎えている今の日本に、木の家は非常に適していることがわかります。

研究所に半日おり、木の加工の技術が進んでいることを確認しました。私自身も木の話を聞いて元気がでました。

2007年08月03日

脳は忘れない

子どもの頃を思い出す話を紹介します。脳には、本来忘れるということはないそうです。一歳からのことをすべて覚えていると言っているのは、ノーベル賞学者の利根川進先生です。強い目的を持てば脳は必ず動くと、次のような話をしています。

ドイツで生まれ、ドイツ語で話をしていた青年が、成長して日本に帰国後、まったくドイツ語を忘れたと思っていた。ある時、その人が重い病に倒れ、手術台に乗せられ、いよいよこれから手術という時に「どうしても生きたい」と思った。すると突然、医者の話すドイツ語がすべて聞き取れていたというのです。手術も成功し、手術室から出てきたときは、ドイツ語でしゃべっていたというのです。生きたいという強い気持ちが、脳に強い刺激を与えたのです。

利根川先生は、MIT(マサチューセッツ工科大学)の教授で日本に来たおり、時間をいただいております。利根川先生と荒川修作先生はお友達です。類は類を呼ぶということでしょうか。

2007年08月01日

子供のころを思い出す家

NYにお住まいの芸術家、荒川修作先生が東京三鷹に「天命反転住宅」を造りました。竹中工務店による施工で、3階建て9戸のマンションですが、写真をご覧頂ければお分かり頂けるように、常識をはるかに超えた作品です。色は原色で、形は今までの住宅様式にまったくこだわらない、変わったものでした。形はあらゆる曲線を使っており、建築には常識とされる、水平、垂直の建物ではありません。さらに変わっているのは、部屋が球状になっており、玉のなかに入って生活することです。床が平らではありませんから、寝そべって読書をするというものです。

荒川先生は、「この部屋は母親の胎内に居た状態を思い出す」と言っていました。床は茶碗を伏せた形になっているため、立って歩くことが出来ません。赤ちゃんのようにハイハイをしながら生活することになります。次に浴室が変わっていて、上から見ると+(プラス)の形になっています。4人が同時に腰掛に座り、足を投げ出して入ることができます。もちろん首までお湯に浸かることもできます。この家では家具、調度品はすべて天井からワイヤーで吊るして使います。既成概念を全て取り払った設計になっています。アニメ作家の宮崎駿さんや尼僧で小説家の瀬戸内寂聴さんもご覧になられたそうです。

私は、中に入って1時間ほどは、この様な不自然な家にあきれ果て、誉めるわけにも、けなすわけにもいかずに戸惑っておりましたが、2時間いると次第に落ち着いてきて、「こういうのもあるのかな」と思うようになりました。建築物が平らでできていたり、直線でできていたりするのは、生産性を挙げる合理的な理由だからであり、本来人間が好む形ではないのかもしれないと気が付きました。2時間して退席するときには、居心地が良いというのは少し言いすぎかもしれませんが、「これもあり得る」と妙に納得しておりました。荒川先生は芸術家ですから、住宅としては意味のないことをされたわけですが、狙っていることは、人間の子供の時、胎内にいた時、さらに言うと祖先のことを思い描く空間を造られたのだと思います。たしかに床を這いずり回っていると、小さい頃育った田舎が懐かしくなってきました。丸い球の中にしばらく座っていると、まるで母親のお腹にいるような気がしてきました。胎児の記憶が甦ってくるかもしれません。

もうひとつ、お風呂の意味を教えて頂きました。生物はかつて水の中から生まれました。やがて陸に上がり、人間が誕生したと言われています。お風呂はそのかつて水の中で育ってきた、古代の記憶を呼び覚ますというように、荒川さんは考えられているようでした。200年住宅を手がけるにあたり、家族の絆、日本の文化、日本の歴史を考えるだけでなく、生命の誕生がいかなるもので、子供がどう成長していくのかを考えさせられた、内容の濃い1日でした。

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