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マウスの実験

宮崎県の木材加工センターにいってきました。10年前に宮崎県が投資して木材の研究をする日本で一番大きな施設です。所長は東京大学名誉教授有馬孝禮氏です。古くからご指導いただいていることもあり、今回訪問しました。宮崎県は杉の木の産地で、九州一円はもちろんのこと、中国や韓国に輸出しています。

有馬先生が行われた実験で次のようなものがあります。静岡大学でマウスを使った実験を行いました。みかん箱ほどの木の箱と、コンクリートの箱、さらに鉄の箱を50箱づつ用意し、それぞれの箱の中でつがいのマウスを飼い、動向を調査するというものです。それによると、木の箱で飼育をしたメスのマウスのうち、90%は子供を産み、子供は育つことができました。それに対し、コンクリートの箱は20%、鉄の箱は40%です。いかに木材が生命にとってよいか、また産まれてきた子がどのように成長するかというデータを測ることができ、一番良く成長したのは木の箱でした。そして、2番目がコンクリートで3番目が鉄という結果になりました。

また、それぞれの箱で飼育されているオスのマウスだけを一箇所にあつめて、どういう現象が起こるか調べました。人間社会でいう会社勤めのようなものです。結果は木の箱のマウスはストレスがないので、仲良くしていました。コンクリート、鉄の箱のマウスは、ストレスがたまっているのか落ち着かず、1日目はケンカが耐えませんでした。2日目になるとケンカはしなくなったものの、不幸なことに序列ができており、一番強いマウスが他のものを支配するようになりました。体力がないマウスはえさにもありつけず、隅で小さくなっていました。人間社会で問題になっている格差社会ができてしまいました。

マウスの実験は、木が生物に及ぼす影響を調べたものですが、有馬先生のお話では、人間も同じようなことをいえるとのことでした。木には木目、繊維があり、同じ模様のものはひとつもありません。木に囲まれていると人間はたくさんの情報を木から得ることになります。ところがコンクリートや鉄からの情報は1つですから、人間は落ち着かないことになります。一見逆のように思うかもしれませんが、たくさんの情報に囲まれていると人間はストレスがたまりません。情報が少ないほどストレスがたまるのです。例えば昔の拷問で、真っ白な壁に囲まれた無音の部屋に入れ、精神的に参らせるというものがあったほどです。住宅の中が、高断熱、高気密、無色の壁で覆われると、そのようなことになってします。

さらに有馬先生によると、木の家は子供がアトピーにならない、木はコンクリートや鉄に比べて、柔らかいので、けがをしない。また木は温もりがあるので、過剰な冷暖房がいらないということです。さらに、水を吸収したり、吐き出したりするので、除湿・加湿効果があります。そして木からたくさんの情報を得るため、お年寄りがボケにくく、また老人特有のにおいも吸収するそうです。高温多湿の日本、さらに高齢化社会を迎えている今の日本に、木の家は非常に適していることがわかります。

研究所に半日おり、木の加工の技術が進んでいることを確認しました。私自身も木の話を聞いて元気がでました。

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