200年住宅
HABITAは200年住宅を目指していますが、政府も200年住宅の実現に向けて動き始めました。政府は昨年6月、豊かな国民生活を実現するために「住生活基本法」を制定し、今年5月に自民党政務調査会の住宅土地調査会(会長・福田康夫氏)が発表したのが「200年住宅ビジョン」で、住宅産業界に大きなインパクトを与えました。
「200年住宅」を超長寿命住宅の象徴的な言葉として使い、超長期住宅ガイドラインの制定、家歴書の整備など12項目におよぶ政策提言を行っています。自民党という与党が住宅問題に対してこうした本格的なビジョン、提言を打ち出したのは初めてです。政府が住宅問題に切り込んだということではルーズベルト大統領が1929年の大恐慌時に打ち出したニューディール政策を思い出します。大不況下、新設住宅着工数はピーク時の1/10にまで減少し、政府は、住宅需要を喚起するためにニューディール政策の一環として連邦住宅局(FHA)を設立、大規模な住宅金融の助成を行ったのです。融資に当たって、品質・性能面での審査基準を決め、評価を行い、低い評価の住宅には融資をしなかったのです。「住宅は長持ちしなければいけない」という思想が貫かれています。その成果は80年経った今でもこの融資基準で建てられた住宅として評価され、流通しています。200年住宅ビジョンが軌道に乗るようなら福田康夫氏は米国のルーズベルト大統領並みに住宅産業界功労者として歴史に名を残すかもしれません。
自民党の200年住宅ビジョンでは(1)住宅の建設・取得・維持管理のための国民負担の軽減、(2)廃棄物・CO2の削減、(3)わが国のゆがんだ国富構造の是正、という3点をメリットとしてあげています。ここから描き出されるのは、成熟社会にふさわしい「ゆとり」ということでしょう。この200年住宅ビジョンに呼応するように、経済産業省では「今後の住宅産業のありかに関する研究会」が中間報告のかたちで、住宅産業の今後の方向性をして「“住み継ぐ”住宅システム」の構築を打ち出しました。2025年までに日本が目指すべきイノベーションの姿について学会、産業界などの有識者が集まる「イノベーション25戦略会議」がまとめた報告書のなかでも、「200㎡、200年住宅」をイノベーション例をとして挙げています。技術的に十分に実現可能とみているのです。
国土交通省でも200年住宅の実現に向けて総括的な施策を講じていく考えで、立法化をも視野に入れているといいます。200年住宅ガイドラインの策定や住宅履歴情報システムなどがまず、具体のテーマに上がっています。まさに、国も今、200年住宅をいう超長寿命住宅の実現に向けて舵を切ったのであり、「良いものを長く使う」方向へと転換したとみていいのだと思います。HABITAへの追い風です。