HABITAの理念・資産形成のために 住宅資産の貧困
こんなデータがあります。国富という視点からみたとき、わが国の住宅資産額は250兆円であり、国富総額2600兆円のほぼ10%弱になります。この割合はほとんど変化していません。わが国の住宅投資は毎年20兆円も行なわれているのに、住宅資産額は増えていないというのはどういうことなのでしょうか。
ところが、米国ではどうでしょう。米国の国富総額は7500兆円ですが、このうち住宅資産は2500兆円です。実に30%の比率を占めているのです。米国と日本の年間の住宅着工はそんなに大きな差がありません。それなのに住宅資産額は、日本は米国の10%程度しかないのです。日本の住宅がいかに社会的資産として残っていないかの証拠です。
別の角度からも見てみます。中古住宅とも言われる既存住宅の流通量の比較です。日本の住宅ストックは現在、5400万戸で、世帯数4700万世帯に対して家余りの状態です。それなのに、中古住宅として流通市場に乗り、取り引きされるのは年間18万戸程度にしかすぎないのです。ところが、米国では1億4000万戸と言われるストックのうち、年間700万戸が流通、取り引きされているのです。ここからも、既存住宅が日本では住宅流通市場に乗らない実態がはっきりわかるのです。既存住宅は流通せず、取り壊されているのでは―との想像ができるわけです。耐震基準に満たない住宅が1100万戸にのぼるという実態があります。
さらに、こうした日本の住宅の資産価値のなさを裏付けるのが、住宅の寿命です。日本の住宅の耐用年数は30年足らずなのに対して、米国が103年、イギリスが141年と言われており、日本の住宅の寿命が圧倒的に短いのです。もっともこの耐用年数の数字はストック数、減失数、新設住宅戸数などをもとにはじき出したもので、旧・住宅金融公庫が融資住宅を対象に算定したものはまた違ったものになっています。まぁ、算定方法によっていろいろな数字が出てくるのはデータの常。外国のデータだって同じです。その真偽はともかく、日本の住宅の寿命が欧米諸国に比べてきわめて短いということだけは間違いありません。国富に占める住宅資産額が増えないのも必然のことなのです。