庭屋さんの話
庭屋さんは顧客の自宅に出入りし、その家族と親しい関係を築いている特殊な職業です。
古くは「殿様」、「旦那様」と呼ばれた権力者の自宅に出入りをし、次第に彼らは親しい関係を築いてきました。
また、主人の中には妾宅の庭を出入りの庭屋に造らせていました。もちろん家族には秘密ですから、その庭屋とはますます親密になったということです。
当時は庭屋さんのことを『虫』と呼んでいました。
それは、虫が木にとまって、まるで家の中を見ているような様子に例えたものです。
その家の家族にとって、庭屋さんは次第に家庭の中も見られても良いという存在になっていきました。実際に当時の庭師の通行証には、板に『虫』と書いてありました。
ひょっとしたら、時の権力者と庭屋の蜜月な関係は今も続いているのではないでしょうか。街路樹を切っているのもそうした背景があるのでしょう。